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初恋とは(現代スザルル)

「好きな人ができたんだ!」

 教室に入るなりかました告白に、さすがのルルーシュも目を瞬かせていた。パチパチ、と瞬きをする様子はとても珍しくて、スザクは一瞬写メをとってやろうかとも思ったが、それよりもとにかく伝えたいことがあったので止めにした。

「……お前にか?」
「そう!」

 スザクが思わず嬉しそうにはにかめば、ルルーシュも普段の調子を取り戻してニヤリと笑った。

「へえ、どんな子だ?」
「隣のクラスのユーフェミアっていう子なんだけど、」
「お前にユフィはやらん!」

 突然大声を出したルルーシュは、人の言葉を遮ったくせに、仁王立ちにふんぞり返ってスザクを見下していた。ルルーシュはスザクの親友で、ずっと仲が良かったけれど、スザクに対してこんな扱いをするなんてことは今ままでなかった。カッと頭に血がのぼる。

「なに、父親みたいなことを!」
「父親じゃない!」
「そりゃそうだろ僕だってわかってるよ!」
「兄だ!」
「……は?」

 思わぬ言葉にスザクは戸惑った。いま、この親友はなんといっただろうか。兄。確かに彼は、ロロとナナリーの兄であるけれど。

「……え、本当に?」
「ああ。本当だ」

 異母兄妹だけどな。親友の付け足しは右から左へと流れていく。恋をしているユーフェミアと、親友のルルーシュが、兄妹。

「知らなかった」
「言ってなかったからな」

 あっけらかんとした口調に、スザクは眉を寄せた。仲良くなって日が浅いユーフェミアはともかく、ルルーシュとは幼なじみだ。それなのに、異母兄妹がいるなんて話は、一度も聞いたことがない。

 一年ほど前にロロが引っ越してきた時だってそうだ。ルルーシュとナナリーが住む家の前でうろついていたロロを、スザクは警察に連れて行きそうになったのだ。弟なんだ、とタイミング良くルルーシュが帰って来たからまだ良かったが、その前に警察に突き出してしまっていたら、どうするつもりだったのか。その時にナナリー以外に兄弟がいることにショックを受けたのに、今度は異母兄妹ときた。親友だと思っていたのは自分だけだったのか。睨みつければ、何故かルルーシュも睨み返してきた。

「大体、お前にユフィは勿体無さすぎる。身の程をわきまえろ」
「そこまで言われる謂われはないよ」
「本当に?」

 余裕たっぷりに笑みをたたえて近づく顔に、スザクは一歩後ずさった。至近距離で下から見上げてくる瞳が挑発的に輝く。あっなにか企んでるな、なんて付き合いは長いのだ。雰囲気でわかる。

「なんだよ」

 耐えられずに口を動かせば、ふっと鼻で笑われた。馬鹿にしたような態度にムッとしたのも、一瞬のことだった。

「お前、キスを交わしたことすらないだろう」
「な……!」

 ルルーシュと違ってスザクは彼になんでも話しているのだ。自分のことは教えてくれないくせに、スザクのことは聞き出してくる。勝手にスザクが話したくて話しているのではない。話術だ。騙されているのだ。騙されて、今まで誰とも付き合っていないことも、辛うじて幼い頃に手を繋いだことはあってもキスをした経験なんてないことも、全てルルーシュに教えてしまっていた。これほどまでに過去の自分をぶん殴りたくなったことはない。

「それとこれとは関係ないだろ!」
「あるさ。そんなことでお前、女性をリードできるのか?」

 怒り心頭とはこのことだ。親友とはいえ、いくら異母兄弟とはいえ、馬鹿にされてなるものか。スザクは完全にキレていた。

「経験があればいいのか?」
「ああ、そうだな。最低ラインといったところか」
「そう。分かったよ」

 そう、スザクは頭に血が上っていた。とても冷静とは言えない状態にあったのだと、後に言い訳をする羽目になる。ルルーシュの制服を掴んで、強く引き寄せた。そしてためらいもなく口づけたのだ。ほかでもない、ルルーシュの唇に。

「……これで僕にも資格があるんだろう!」

 どうだ! と胸を張ったスザクは、ただルルーシュのぽかんとした表情に気を取られるばかりで、周りの様子に気付くことはなかった。いつの間にか騒ぎを聞きつけた知り合いが二人を取り囲んでいたことも、その中にユーフェミアがいたのにも気づくことができなかったのだ。

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