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【ウェザ徐←F.F?】疑問・返答・疑問

喧騒が満ちる食堂での食事はトラブルさえ気に掛ければ意外と落ち着いて食べれるものである。
「で。徐倫ってウェザーのことが好きなの」
真向いに座りスープパスタをバキュームカーの如き勢いで飛び散らかしながら食べるF.Fの一言に徐倫のフォークが空に一時停止。
少し経ち、やおら天使が通り過ぎるのを待ってから食べ掛けていたハンバーグを皿に下ろした。
「どうして、そう思うの?」
「だって二人さー。やけに親しいっていうか、距離がグッと近くなったていうかー」
行儀悪くフォークをブラブラしつつ、今までの事を思い出すようにF.Fが語る。
「彼はいつだって近いでしょ。あなたと話す時だって同じ距離だわ」
「そうじゃなくってなージョリーン」
はぐらかす徐倫にF.Fが食って掛るも、食事を再開されてしまっては意味が無い。
これ以上の展開を望めないと判断したF.Fは不服ながらも同じく止めていた手を動かし出した。
飛び散るスープがF.Fの横を通り掛った囚人の服に付き抗議の声が上がる。それを遠目から見遣る徐倫は兎角慌てず騒がず昼食のハンバーグをもくもく食べ続けていた。
どうせすぐにトラブルは収まる。現にF.Fがまた新たな火種を作り、他の囚人を掴みかかって来ている囚人に押し付けることで大きな問題に発展する前に回避していた。
「おいっ!テメェ今、私にぶつかっただろ!?」
「知るかっ!こちとらこの女がぶっかけてきたスープの染みにクリーニング代を請求してるとこなんだよ!」
「んだとテメェエエエ!!」
「やんのかゴラァアア!?」

「――スープパスタっていいね。水分補給も出来ておいしいし、一石二鳥ってやつ?」
すぐ近く、しかも原因が自分にあるにも関わらず何処吹く風状態のF.Fは優雅に食事を再開した。
看守に摘み出される二人を横目で見送った徐倫は一つ息を吐き、食べ終わったプレートにフォークを置き、頬杖を付いた。
「多分、…距離が近いってのはあなたと同じよF.F」
「それはさっき聞いた」
「違うの。聞いてF.F」
聞きたくない意思表示か両耳を塞ぎ、渋い顔を左右に振うF.Fを宥め徐倫が続ける。
「信頼出来る仲間って分かる?つまり、そういう事。背を預けてもいい、気の置けない関係だから距離が近いのよ。あんただってエルメェスやエンポリオが近くにいても嫌な気持ちにならないでしょ?」
「うー…。知識としては理解出来るけどさー、…なんつーか、違うんだよ。わたしやエルメェス、エンポリオとは違うんだよ。――うまく言えないけど」
「まあ、あたしは此処に入る前に散々男達から裏切られてきたからね。ちょっとした男性不信抱いてちゃったわけ。父さんに限っては不器用で分かり辛いものだったけど、今はもう平気。ちゃんと理解出来てる。問題は…、聞かれれば言うけど出来れば言いたくない、な…」
「徐倫が嫌な思いするならわたし聞かない」
「そんな真面目な顔しなくても大丈夫よ。ありがと。話すと――、すごく殴り飛ばしたい気持ちを抑え切れなくなっちゃってね」
「・・・そんなもん?」
「そんなもん」
難しげな顔付きで腕を組みうんうん悩むF.Fの姿に徐倫がニカリと笑う。
でも、やっぱり理解出来ないといった風で大袈裟に悩むものだからまた新たなトラブルを招きこんだ。どうやらF.Fの入っている囚人は元からそういう気質なのかやたら問題を起していた。
でも、大体大したことも無く何処かへ流れていくのが常である。
また騒ぎが起こった。他人事よろしく遠くを見る眼差しで事の次第を傍観する徐倫の頭の中は先程まで問われていた男の顔が浮かんでいた。寡黙で優しく頼りになる相手。

(でも、これって恋というより…)

ずっと追いかけていた父親像そのもの。話す事はたとえ多くなくとも大きな手で守ってくれる優しい存在。
やっと父・承太郎の愛を理解したとはいえ思い描いていた父親像はずっとウェザーの方が近く、実際彼が与えてくれる安心感は心を穏やかにしてくれる。ちょいとばかしデリカシーの無い所だって”父親だから”と思えば存外納得できるものがある。
父親は何時だって娘にデリカシーのないものだ。
「親愛…、そうこれは恋愛より親愛に近いものなんだわ」
「え!?徐倫なにか言った!?!?」
耳元の罵倒を押し退け叫ぶF.Fが、徐倫はまさか口に出ていたとは思っていないらしく「なんのこと?」と傾げるばかりであった。










「ウェザー……。流石にこれはちょっと近過ぎじゃない?」
「………」
「無言にならないで。言ってくれなきゃ分からないものが益々分からないじゃない」

(…言っても恐らく君は……)

理解してくれない。
緩やかに瞼を閉じ、徐倫の体を抱き寄せるウェザーは静かに心内で囁いた。

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