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ちょっとしたいたずら心

「はいっ、注目っ」

 ぴし、と指示棒で黒板を叩くのは姫松高校麻雀部の3年にして大将、末原恭子。
黒板には白い布が掛けられており、そこにはプロジェクターで、彼女らがこの夏のインターハイで戦う可能性のある高校のデータが投影されていた。

「このように、この夏も多くの強豪校が勝ち上がってきたわけですが……」
「いや、ちょい待ち恭子」

 恭子の言葉を遮ったのは、主将である愛宕洋榎だ。

「近ない?」
「近……え、そうですか?」
「絶対近いて。黒板とプロジェクターの距離、もうちょい離さな……ほら、上の方なんか見切れとるやんか」

 そう言って上部を指さす洋榎。
なるほど、確かに言われてみればExcel勢のデータ表のタイトルが見切れている。
ずぼらそうに見えて、すぐにこのような点を目ざとく発見するあたり、やっぱり名門校の主将なだけあるわ……と、恭子は胸中で感心する。

「ホンマですね。ちょっと待っとってください、すぐ漫ちゃんが直しますんで」
「ふぇあっ!? わ、私に振るんですか!?」

 突然話を振られて驚くのは2年生、恭子の後輩である上重漫だ。
軽くうとうとと舟を漕いでいた漫にとっては完全な不意打ちだった。

「なんや漫ちゃん、先輩の言うことに文句あるんかいな」
「いや、そんな、文句とかそういうんやあらへんのですけど……」
「せやったらさっさと動く動く。半分寝とったもんに拒否権なんてあらへんで」

 「バレとったんですか」とボヤきながら、漫が席を立とうとする。
と、そんな彼女を洋榎は手で制した。

「あ、ええってええって。うちがやったるわ」
「え。でも悪いですよ」
「ええから。ほら、漫は座っとき」

 「でも……」と居心地悪そうにする漫を尻目に、洋榎はひょいひょいとプロジェクターの位置をずらし始めた。
なんや、いつになく後輩想いやんか。主将としての自覚でも表れ始めたんか。
そんなことを何となく考えながら、恭子は洋榎の準備をぼうっと眺める。

「よっしゃ、出来たでー!」
「ありがとうございます、首相。そしたら改めてさっきの画面を……」
「任しとき!」

 にっと笑って、洋榎はPCをいじり始める。
……なんだか、その笑いに妙なたくらみがあったように思えたのは気のせいだろうか……。
そして、黒板にプロジェクターからの画像が投影され――




「ギニャーーーーーーー!!」

 ドアップで映し出された蛾の標本図。
驚く皆の姿を眺め、洋榎はいたずらっぽく笑うのだった。

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