ジャンル:ジョジョの奇妙な冒険 ストーン・オーシャン お題:見知らぬ伝承 制限時間:1時間 読者:686 人 文字数:1093字 お気に入り:0人

【プチ徐】あくむ

見知らぬ男、覚えの無い指先が頬を撫でてくる夢を見た。
大地の色を称える指先が頬を撫で包み込まれる度、なんともいえぬ気持ちになる。

(優しさとは何かちがう…)

前髪をかき分け、耳の輪郭をなぞり、間近まで覗き込む男の顔は背から差し込む光の所為でよく見えない。
眩しさもあり、緩やかに手を払っても自分とは違う色の手が伸びてくる。
強めに拒絶すれば今度は手首を掴み抑え込んできた。此処までくれば苛立ちさえ覚える。
手を振り払う。掴まれる。また振り払う。再び掴まれる。そのくり返しがずっと続くのか。根拠の無いことが俄かに浮かぶ直前、あれだけ抑え込もうとしていた腕の猛攻が止まった。
不審に思い、此方から顔の見えぬ男に向って手を伸ばした。
されたからやりかえす。なんて幼稚なものでも律儀なもんでもない。

(あなたは…誰)

頬を撫で包み。親指の腹で目元を擦る。
濡れた感触に目を俯かせ、そして見上げた。

「泣いているの…?」
「その愚直なほど輝かしい眼差し…。憎しみしか抱かぬ瞳でこの私を見るな…見るんじゃあない…」
「身が竦むくらい、――あたしが憎いのか」
「忌々しい声で話しかけるな…口を閉じろ…」

「あんたが何者か知らないが。あたしに命令すんじゃねえ。命令するのはあたしであんたじゃあない」

前に佇む男の雰囲気が一瞬で変わる。滲み立ち昇る怒気。小刻みに体が震えているのは寒さが原因ではない。
それでも屈託なく恐れる事無く見上げていれば、不意にフッと周囲の空気が軽くなった。
布地の擦れる音が耳の中に入り込む。
黒い壁となった男の胸に頭が緩やかに押し付けられ。首の後ろを今まで以上の滑らかな動きで指が這う。
微かに香る匂い。香水とはまた違う高尚な香木の匂い。何故かこの男にはぴったりな匂うだと独りごちた。

「やはり貴様達血族を根絶やしにするべきであった…」

ぞくり。身の毛のよだつ艶のある声。肩を思わずビクつかせるほど、官能的な指先が星型の痣を掠め。
悲哀に満ちた吐息に目蓋を浅く閉じる。
目蓋裏に広がる暗闇。そして自ずと暗闇から現れる映像の懐かしさに同じ溜息を吐いた。

「…いつまであんたの悪趣味な遊びに付き合えばいいのかしら」
「ようやく思い出したか…、空条徐倫」

まっさらなページ。やっと新しい人生を歩めると思っていたら無理矢理誰かに眠りを妨げられた。
不完全に目覚め、あやふやな世界を彷徨い、辿り着いた先は。

「宿敵の腕の中だったなんて。やれやれだわ」
「さあ。私が歩む新しい世界の礎になるべく、お前の存在を抹消させてもらおう」
「出来るものならやってみなさい」

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