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白い消しゴム(T葉)

 事務室で休憩を取るなんて東西らしいけれど、そのおかげで会いに来られたわけだけれど、この状況はどうなのかな。
 西船橋の小さな事務室の、一つしかない机の上にはシャープペンシルやボールペン、修正テープ、定規、と文房具が散らかるだけ散らかっていて、食べていたらしいサンドイッチのパックが半分開けたままで放置されている。僕はその中でもいまさっき開けられたままといった風体の消しゴムを手に取った。持ち主は気持ちいいほどに健康的な寝息を立てて寝ていて、僕に気づく気配もない。いいけど。
「とーざい」
 小さく呟いて、消しゴムを額に押し当てる。起こしたいような、起こしたくないような、気づいてほしいような、気づいてほしくないような。親指と人差指でつまめば簡単に持ち上げられてしまうそれ、で僕はそっといたずらを重ねる。
 会いたくて、会えてない時はずっとずっと会いたくて、でも会ったら、やっぱり何も言えなくなる。起こすより、幸せそうな寝顔を見ている方が、幸せだなんて。開けたての、まだほとんど汚れていない消しゴム。まっさらな気持ち。僕の心の、一番奥の、いろんなヴェールを全部剥ぎ取ったところにある、産まれたての気持ち。ずっとずっと見ていたい。聞いていたい。この幸せを、ただそれだけで、
「……ん」
 不意に身動ぎの声が漏れて、僕はびくっと身体を竦ませた。悪いことはしていないはずなのに、なぜか後ろめたさで心臓がどきどきとした。幸いにも起きてはいないようで、また安らかな寝息が聞こえて、僕はほっとして消しゴムを元の位置に戻して、一緒に昼寝を決め込むことにした。

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