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【オレめぐ】尊い願い11

ヒトならざるオレスキーと、何ら変哲のない人のめぐみ。その⑪



包帯を崩さず痛みを庇いながら歩くのは中々難儀なものだ。
壁に手を付き蝸牛の歩み。月が昇っても来る気配が無く実際に来てくれないオレスキーの部屋に訪れるのは始めてだった。
扉をノックしても返事無し。一言掛け扉をゆっくり開けた。
小さなテーブルセットでお酒を一人嗜むオレスキーが其処にいた。めぐみもお酒の類は見た事あれどあんな琥珀色見た事無い。透明なガラスに入った液体はオレスキーの手に合わせ月明かりを受けとめ輝いている。
カラン。涼やかな音が鳴る琥珀色をオレスキーが呷る。
「ちょっと話がしたいの。大事で大切な話を」
タンッ。乾いた音がテーブルに軽やかに叩きつけられた。
視線だけ向ける相手に近付く。
歩くたび産れる痛み。そんな痛みを堪え顔には出さない。痛みなど浮かべる暇も余裕も無い。
覚悟を決めためぐみの強い眼差しがオレスキーの笑いを誘う。
小馬鹿にしていて待っていたと云わんばかりの笑い。
「さて。では聞かせてもらおうではないか」
体を向け大仰に足を組み頬杖を付くオレスキーを前に一回めぐみは息を整えた。



育った村の事
一緒に暮らした家族の事
仲良しだった友や幼馴染の事

降りかかった災難の事
幼馴染を助けたくて身代わりになった事

オレスキーに近付いたのは事の大元は村の為、幼馴染の為である事

めぐみが話せる事は徹頭徹尾話した



上手くない説明に対しオレスキーは頷きもせず只管耳を傾け聞き入っていた。
そして、めぐみが此れ以上語らないと見るや新しい琥珀色をガラスに注ぎ込む。めぐみの鼻にも届く芳醇な香り。八割方注がれた其れをオレスキーが一気に飲み干し酒臭い息を吐き出した。
「やはり、この世界は最悪だ」
皮肉に嗤い口端から零れる琥珀を手の甲で拭い去る。ゆらゆら揺れる手元にあったガラスがめぐみの頬を掠めた。
やにわの出来事、後方の壁から綺麗過ぎる音が聞えたかと思ったらめぐみの手組に黒色が巻き付いていた。
「変な老婆心、情を移さなければ裏切られずに済んだものを。オレ様も木から落ちとは随分焼きが回ったものだ」
足を解きその間にめぐみを跨がせるように座らせ。腰を抱き寄せ力づくで顎を上向かせる。
濡れ濁る双眸。血の色に似た瞳が嗜虐的に歪み、めぐみの視界から消えた。
「貴様は…、その少年が好きなんだな…」
直接吹き込まれる言葉。全身の肌が立つ。首を捻り腕を押したところで頑丈な枷は外れない。
「好きとか嫌いとか、誠司はそんなんじゃなくてわたしの大切な、ん…っ」
「大切な、なんだ?」
悪意に満ちた舌先が耳の縁を舐め、やわく耳たぶを吸い巻き付いた。
めぐみが幾度まじめに聞いて欲しいと説得を試みてもオレスキーは我知らず関せず気に留めず。
返す気などない事をオウムかインコのように繰り返しては吐息ごと吹き込んだ。
「よわっちい耳だな」
「おれ、スキー…、やっ、ちゃんと、はな、…し、きいひゃっ」
生理的に涙声になり始めためぐみを抱き捕えて離さないオレスキーの目は未だ闇を称え鈍く輝いていた。

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