ジャンル:ハピネスチャージプリキュア! お題:煙草と罪 制限時間:1時間 読者:315 人 文字数:1284字 お気に入り:0人

【オレめぐ】尊い願い11

ヒトならざるオレスキーと、何ら変哲のない人のめぐみ。その⑪



包帯を崩さず痛みを庇いながら歩くのは中々難儀なものだ。
壁に手を付き蝸牛の歩み。月が昇っても来る気配が無く実際に来てくれないオレスキーの部屋に訪れるのは始めてだった。
扉をノックしても返事無し。一言掛け扉をゆっくり開けた。
小さなテーブルセットでお酒を一人嗜むオレスキーが其処にいた。めぐみもお酒の類は見た事あれどあんな琥珀色見た事無い。透明なガラスに入った液体はオレスキーの手に合わせ月明かりを受けとめ輝いている。
カラン。涼やかな音が鳴る琥珀色をオレスキーが呷る。
「ちょっと話がしたいの。大事で大切な話を」
タンッ。乾いた音がテーブルに軽やかに叩きつけられた。
視線だけ向ける相手に近付く。
歩くたび産れる痛み。そんな痛みを堪え顔には出さない。痛みなど浮かべる暇も余裕も無い。
覚悟を決めためぐみの強い眼差しがオレスキーの笑いを誘う。
小馬鹿にしていて待っていたと云わんばかりの笑い。
「さて。では聞かせてもらおうではないか」
体を向け大仰に足を組み頬杖を付くオレスキーを前に一回めぐみは息を整えた。



育った村の事
一緒に暮らした家族の事
仲良しだった友や幼馴染の事

降りかかった災難の事
幼馴染を助けたくて身代わりになった事

オレスキーに近付いたのは事の大元は村の為、幼馴染の為である事

めぐみが話せる事は徹頭徹尾話した



上手くない説明に対しオレスキーは頷きもせず只管耳を傾け聞き入っていた。
そして、めぐみが此れ以上語らないと見るや新しい琥珀色をガラスに注ぎ込む。めぐみの鼻にも届く芳醇な香り。八割方注がれた其れをオレスキーが一気に飲み干し酒臭い息を吐き出した。
「やはり、この世界は最悪だ」
皮肉に嗤い口端から零れる琥珀を手の甲で拭い去る。ゆらゆら揺れる手元にあったガラスがめぐみの頬を掠めた。
やにわの出来事、後方の壁から綺麗過ぎる音が聞えたかと思ったらめぐみの手組に黒色が巻き付いていた。
「変な老婆心、情を移さなければ裏切られずに済んだものを。オレ様も木から落ちとは随分焼きが回ったものだ」
足を解きその間にめぐみを跨がせるように座らせ。腰を抱き寄せ力づくで顎を上向かせる。
濡れ濁る双眸。血の色に似た瞳が嗜虐的に歪み、めぐみの視界から消えた。
「貴様は…、その少年が好きなんだな…」
直接吹き込まれる言葉。全身の肌が立つ。首を捻り腕を押したところで頑丈な枷は外れない。
「好きとか嫌いとか、誠司はそんなんじゃなくてわたしの大切な、ん…っ」
「大切な、なんだ?」
悪意に満ちた舌先が耳の縁を舐め、やわく耳たぶを吸い巻き付いた。
めぐみが幾度まじめに聞いて欲しいと説得を試みてもオレスキーは我知らず関せず気に留めず。
返す気などない事をオウムかインコのように繰り返しては吐息ごと吹き込んだ。
「よわっちい耳だな」
「おれ、スキー…、やっ、ちゃんと、はな、…し、きいひゃっ」
生理的に涙声になり始めためぐみを抱き捕えて離さないオレスキーの目は未だ闇を称え鈍く輝いていた。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

チクチク目打ちの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:ゼルダの伝説 お題:哀れな祝福 制限時間:1時間 読者:39 人 文字数:1126字 お気に入り:0人
そう遠くない、なるかもしれない未来。と、いったところでそれが一体何百年、何千年後なのか、もしかしたらすぐ近い未来なのか、はたまた別次元の過去なのか分からない。皮 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:ONE PIECE お題:栄光の殺し 制限時間:30分 読者:67 人 文字数:487字 お気に入り:0人
どこまで本気で、どこまでが冗談なのか。ふざけているとしか思えない行いは常に割り切っていなければ振り回されるのがオチだ。今更ながら掻いた胡坐の中で高いびきをして眠 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 お題:黄色い接吻 制限時間:30分 読者:37 人 文字数:627字 お気に入り:0人
くすみ切った白い夢がひたひた足音を立てやってくる。熱が入り過ぎて役になり切っているのか。それとも別の何かが憑依して体を操り心を支配しているのか。撮影の合間。次の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:ポケットモンスターBW2 お題:栄光の殺し 制限時間:30分 読者:53 人 文字数:1226字 お気に入り:0人
朝露滴る緑の絨毯が屋根一面を覆い隠し、朽ちるか朽ちないかの瀬戸際で鬩ぎ合っている石柱の間を潜り抜け、昔は人の活気で賑わっていただろう廃れた町並みを歩く。耳を澄ま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 お題:遠いガール 制限時間:30分 読者:55 人 文字数:604字 お気に入り:1人
白い手袋が頬を包み撫ぜる感触はどちらかと言えば嫌いじゃない。少し毛羽立った布地が耳の縁をなぞる。こそばゆくて首を竦めようとすればその隙間に白い手袋が先回りして肩 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 お題:振り向けばそこに深夜 制限時間:1時間 読者:64 人 文字数:908字 お気に入り:1人
足元で蠢いていた黒い靄がビルの感情に共鳴して彼に群がり纏わりついた。憎悪、怒り、果たせなかった無念が糧となり勢いを増した黒い靄が白銀色の衣装を真逆の色で覆い隠す 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:約束のネバーランド お題:彼が愛した快楽 制限時間:1時間 読者:53 人 文字数:1109字 お気に入り:0人
変わり映えのない日々、手応えの全くない日々をたった一瞬で塗り替える鮮烈と期待に心が躍る。突如現れた一人の子供。その的確な指示が手緩い狩猟の終わりを告げる。待ち望 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 お題:清い壁 制限時間:30分 読者:84 人 文字数:709字 お気に入り:1人
糞尿が入り混じった汚水の匂いと屍肉が放つ腐臭のブレンドは一度服に染み着いたら中々取れない。触っただけで火傷するネバネバした糸に触れぬよう一定の距離を保つ。一本で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 お題:許されざる夜 制限時間:1時間 読者:62 人 文字数:1154字 お気に入り:0人
27年の休息期間から目覚めた時、まず初めに感じたことは――胸の内に広がる空虚感だった。意識をデリー町中に張り巡らせ隈なく探し回る。募る焦燥感につられ指先が悴み呼 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:チクチク目打ち ジャンル:ジョジョの奇妙な冒険 ストーン・オーシャン お題:恥ずかしいブランド品 制限時間:1時間 読者:60 人 文字数:1293字 お気に入り:0人
鏡に映し出される気合入った格好。首を捻り後方も念入りに確認。鏡に顔を寄せ前髪を撫で整え、更に角度を変え左右もチェック。窓辺から差し込む陽光に照らされキラキラ輝く 〈続きを読む〉