ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:永遠の視力 制限時間:15分 読者:551 人 文字数:707字 お気に入り:0人

面影

赤司に良く似ている
幼い頃から父の知り合いに育てられていたので、そう言われ続けていた。そして僕が人生の主役になった頃、彼らはそう言わなくなっていた。そして彼らが人生の晩期に入った頃、再びその言葉が言われ始めた。昔のように頻繁に会うことがなくなったからだろう。
その日、僕は12歳になった娘の征美とともに真太郎さんの家に向かっていた。娘はピアノを弾いた。赤子の頃から母親の弾いている隣でポロンポロンと弾き始め、僕が弾いていると傍で聞いていた。真太郎さんの家にはベヒシュタインのアップライトがあるため、それを弾かせてもらうために征美は着いてくる。緑間さんも、僕たちが来るのを楽しみにしてくれていた。僕たちが来ると、いつもお気に入りのお汁粉を出してくれた。
春先の、昨日よりずっと暖かい日だった。征美も春のコートにする、と薄手のコートを着ていた。真太郎さんの家の桃の木の蕾も膨らんできたかもしれない。庭を回って、縁側から入ろう、と僕は露地門の方を回った。真太郎さんの家には大きな庭があって、それはかなり父の趣味が反映されていた。庭は縁側に面して広がっており、玄関から左手にある露地門からすぐ庭へ入ることができた。
露地門を開けると、縁側に面した部屋のソファで、緑間さんが転寝をしていた。こんなよい日には眠くなって当然だ。起こすのも忍びないので、征美と二人、しばらく静かにしていよう、と頷き合った。僕も娘も、縁側から庭を眺めるのも好きだった。
真太郎さんが起きる気配がしたので、そちらを向くと、彼は何度も瞬きをした。
おはようございます
僕が挨拶をすると、真太郎さんは顔を歪めた。
どうしました?
すまない
彼は俯いた。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
押しかけっ子 ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:黒尽くめの百合 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:692字 お気に入り:0人
こればっかりは親に感謝、ということなのだろう。何を着ても美人は美人。それこそ布一枚だって、それは変わりない。ミュシャの絵の女性たちもあきらかに布しかまとっていな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
いじわる ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:最強の妹 制限時間:15分 読者:44 人 文字数:768字 お気に入り:0人
尚ちゃん、いい子なんだよ、と私がいうと、悪い子じゃないね、と征十郎さんは言う。征十郎さんは尚を褒めない。不思議なほど褒めない。私のことは褒めてくれる。幼い頃は今 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
ひとっ飛び ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:来年の弔い 制限時間:15分 読者:142 人 文字数:847字 お気に入り:0人
帰ってきてよ無理。今言ったの、聞いてた?聞いてた(だったら……)ナオは無駄打ちが好きなんだろうね、と言ったのは征十郎さんだった。『数打てば当たると思ってるんだろ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
せきじつ ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:最強の栄光 制限時間:15分 読者:119 人 文字数:648字 お気に入り:0人
初老というよりはもう少し年齢のいっている感じだった。その人は僕を見て優しく微笑んで、少し泣きそうな顔をしていた。お父上の小さい頃に良く似ていらっしゃる。目元はお 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
正当 ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:朝の慰め 制限時間:15分 読者:242 人 文字数:668字 お気に入り:0人
洗面台で顔を洗っていると、朝のランニングを終えた父が帰ってきた。父は週末の朝は五キロ、平日は二キロ程度、走っていた。健康の秘訣は筋肉だよ、という脳筋のような台詞 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:何かの青春 制限時間:15分 読者:251 人 文字数:845字 お気に入り:0人
向かいに座る息子の表情は固く、こちらに大人二人が座るのはかなり大人げないことだと、少しだけ息子に同情しそうになった。彼は怯えているというより、顔色をなくしていた 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:群馬の善 制限時間:15分 読者:263 人 文字数:703字 お気に入り:0人
転寝をしていたようだった。ドアが三回、ノックされた。音を聞いて目覚めた。ベッドは体を起こすようにセッティングされており、日差しは温かだった。食事らしい食事は禁じ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:イギリス式の大地 制限時間:15分 読者:317 人 文字数:773字 お気に入り:0人
力は根の先を想定する父は不思議なことをいう人だった。少なくとも教科書には載っていない。盲人の杖のようなものだ真太郎さんは、そんな父と不都合なく話が出来る人だった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:昨日食べた村 制限時間:15分 読者:319 人 文字数:929字 お気に入り:0人
見上げてきた表情は、確かに緑間に似ていた。やはり共に暮らしていると表情は似るのか、と紫原は思った。これ、食べちゃうの?千明は悲しそうな顔をした。食べられるように 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:限りなく透明に近い旅行 制限時間:15分 読者:375 人 文字数:868字 お気に入り:0人
こっちだ、と高尾さんが僕の手を引いた。足場が悪く、そこには大きな石、というか岩があった。もう少し僕が小さければ、高尾さんは僕を下から持ち上げてくれただろう。でも 〈続きを読む〉

おうかの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 緑赤 お題:素晴らしい公認会計士 制限時間:30分 読者:452 人 文字数:1420字 お気に入り:0人
付き合ってみればよかったのにあまりにありきたりの答えが返ってきた。高尾に伝えた時点で、その回答はわかっており、それ以外の回答を求めてもいなかった。付き合ってくれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 青黒 お題:夜の結婚 制限時間:15分 読者:540 人 文字数:860字 お気に入り:0人
よろしくお願いします、と礼儀正しく、背筋を正して正座して、テツは俺に頭を下げた。茶道とかでする挨拶みてーに、すごく丁寧に礼をしてくるので、俺も反射的に正座した。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 緑赤 お題:憧れの経験 制限時間:15分 読者:459 人 文字数:826字 お気に入り:0人
はひ、と箸を銜えたまま、黒子の顔を見る。宝持屋の箸は高尾の口の奥でカキと音をたてた。やばい、と口を緩め、高尾は箸を手に戻す。何つったのだから、結婚式を行おうと思 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 赤司 お題:やわらかい痛み 制限時間:15分 読者:581 人 文字数:800字 お気に入り:0人
教室から出て、さらに廊下を進んで、階段を降りた。構内の人は少ない。放課後、部活の時間に構内に残るのは僅か。帝光中学は文武両道、部活をしないものは塾に通う。塾に通 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 赤緑 お題:信用のない情事 制限時間:15分 読者:399 人 文字数:890字 お気に入り:0人
聞きたい、と繰り返すと、緑間は、あっけないものだったのだよ、と吐き出すように言った。ほかには?もう良いだろう、そんなこと聞きたいんだと言ってるだろ?俺が知らない 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 緑赤 お題:イギリス式のむきだし 制限時間:30分 読者:419 人 文字数:1365字 お気に入り:0人
八月初旬は見事に暑い日が続いていた。無理だな、と赤司は一週間前から縁側に出していた簾を仕舞い、縁側の窓をぴったりとしめた。リモコン、と命じられ、緑間は彼にエアコ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 宮高 お題:簡単な運命 制限時間:15分 読者:473 人 文字数:801字 お気に入り:0人
ばしんといい音がした。音がした方が痛くないとかいうけど、アレは嘘だな、と思う。おにーちゃんたちは大変だな裕也さんはそう言って俺を送り出した。明日には戻りますんで 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 黒子 お題:空前絶後の哀れみ 制限時間:15分 読者:485 人 文字数:858字 お気に入り:0人
自分の怒りに目を向けていた。その原因も分かっていた。しかし口をついて出たのは、彼の無自覚さを非難する言葉だった。いい加減にしてくださいその言葉を制御する理性がな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 花宮 お題:薄汚い策略 制限時間:15分 読者:380 人 文字数:750字 お気に入り:0人
ちょっと待ちなさいよ、と実渕に肩を掴まれた。その柔らかい風の口調とは裏腹に、実渕の握力は強い。そりゃそうだ、こいつは選抜に選ばれているくらいの奴で、そんなやわな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 黛葉 お題:記録にないお茶 制限時間:15分 読者:457 人 文字数:1063字 お気に入り:0人
存在感のない人間を構おうとする人間に対して、それがそいつにとってどういう意味を持つのか良く考える。赤司の場合は、駒として、であるが、だとしたら、葉山はどうして声 〈続きを読む〉