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 悠久ともとれる時間の中で、彼はただ穏やかに眠っていた。
 力を欲し、国王と姫君を石へ変え、フォースを奪うために儀式を行い……悪の心を満たす念願は果たされたかに思えた。だが、そうはいかなかった。
 破壊した筈の魔物を封じていた剣が緑衣の少年に握られ、満ちる魔力と培ってきた知識をもって斃そうとしたものの、少年の持つ封印の剣に打ち勝つことはできなかった。
 撃破された彼は理性を失いながらもその姿を変え、憎悪に満ちた邪神となり少年を倒そうとした。だが、善良なる魂であるピッコルの技術に守られた少年へ敵うはずがなく、その魂は封印されるに至ったのだ。

 彼の魂は、眠っている。神殿に安置された剣によって。
 剣と彼の眠る場所は聖域とされ、剣にまつわる伝承も変わってしまう程に長い時間が経過していたが、苔むした神殿と柔らかな日差しによって守られていた。神殿を訪れるものは王族とその護衛であったり、姫君の友人のみであったので、眠りが妨げられることもない。
 ……なかった、というのが正しい。

 突如現れた魔王を名乗る男によって、彼の封印は解かれた。
 男は、男を封印した姫君、六賢者、そして緑衣の少年へ復讐をするために彼を呼び覚ましたと言った。彼は理性こそ失ったものの、緑衣の少年と姫君の事についてはしっかりと覚えていた。緑衣の少年へ復讐ができるのであればいくらでも手を貸そう、姫君についても同じだと、男と契約を結んだ。

 彼の肉体はとうの昔に滅んでいたが、彼にとっては好都合だった。ピッコルという小人種族から人間になり、欲望を満たす為過ごすうちに、人体などという、すぐ老い、すぐ綻び、すぐ消耗し、手入れの方に時間のかかる有限の資源など不要だと気付いたのだ。
 彼のもつ現在の肉体は異形であれど、人体のような細かい手入れなどは一切不要だった。消耗もせず、老いもせず、綻びもしない、いわば不老不死の存在。もう戻ろうなどとは思わない。
 眠りから覚めた肉体を、何も考えず存分に使役できる。彼は笑った、この肉体ならば緑衣の少年への復讐など容易いだろう。無限の力を持った姫君ですら凌駕できるに違いないのだ。
 暗黒の風を巻き起こしながら、現世へ顕現した彼、魔神グフーは下卑た笑いを神殿へ響かせる。まずは姫君を我が物とし、賢者共を封印し、姫君から奪った力で緑衣の少年を叩きのめすのだ。

 魔神は、その欲望のままにハイラルを闇に陥れんと上空へ飛び立つのだった。

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