ジャンル:テンミリオン お題:俺と酒 制限時間:15分 読者:485 人 文字数:366字 お気に入り:1人

酒は恋人ではない ※未完

あの頃俺は、勇者をやっていた。ところが今じゃ、ただの飲んだくれだ。あの金髪の幼馴染が魔王をぶった切ったせいで、俺は勇者になれなかったんだよ……。
「おい、ジルバ!」
幼馴染の声が聞こえる。聞き覚えのある、腹が立つ声だ。構わず酒を飲む。相変わらず不味い酒だ。この男は俺の地位だけでなく、酒の美味までもかっ攫って行ったんだ……。こんな奴の話なんて聞く気はない、もう一杯酒を頼む。
マスターが別の銘柄の酒を開け、グラスに注ごうとする。しかしそれは未遂で、あいつが、金髪の勇者がそれを自らの拳で割る。
「聞けよ、勇者」
手が血で汚れても気にせず、奴は続ける。
「魔王が復活した。それも――力を増して」
「嘘だな」
「事実だよ、お前が飲んだくれてる間に蘇ったんだ。次はお前が勇者になれよ」
……酒と愛し合ってる場合じゃない。

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