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目は口ほどに

だって征十郎にはきな臭いものを感じるんだもの、と尚子は戸惑ったように言い返してきた。
征十郎さんのどこがきな臭いのよ
尚子はきっと間違った言葉を使ったのだろうと思った。彼女はフランスで過ごしてきた時間の方が長いので、時折、日本語の使い方を間違える。だが、それにしても言葉の選び方がよろしくない。そのせいで、私も少し強く言ってしまった。
目が、違うじゃない。彼の言葉と
征十郎さんを呼び捨てで呼んだり、彼と呼んだりする尚子は、どうも征十郎さんが気に入らないというのは、昔から知っていた。征十郎さんの素晴らしさを教えても、それが何よ、大したことないじゃない、と尚子は言った。そんなこと、私にだってできる、私が征十郎の年齢になればできるもの、と。
私は黙って尚子を見つめた。尚子は征十郎に敵愾心を燃やしているが、燃やすだけの優れた才能を持つ人間だった。特に、人の中身を言い当てるのが鋭い。彼女の父、紫原敦もそういうところがあった、と父が言っていた。
(目と言葉が違う)
征十郎さんと初めて会った時、私も感じたことだった。
ようやく親しくなれた父が、自分の大切な友人だと紹介してくれた。あれはどこの公園だったのだろうか。公園にある少し青い色のペンキが剥げたベンチに、彼は座っていた。あれだよ、と父が少し離れたところから彼を示し、私はそちらを見たのだ。彼は、灰色のマフラーをして、茶色の皮の手袋をして、ベンチで小説を読んでいた。父の気配に気づいて、彼は本を閉じ、私たちが来るのをベンチから立ち上がって待った。その時の目を、とても強い感情を秘めたような彼の目を、私は覚えていた。
彼は父と手を繋いでいた私を、めずらしいものを見るような、もっと違った感情を押し殺したような見つめ方をした。父もそれに気づいていたけれど、私と繋いでいる手を僅かに力を込めただけだった。そして、父は、娘の千明だ、と手を私の背に回して、彼に紹介してくれた。
この人が、赤司だ。赤司征十郎というんだよ
父は私の顔を見、ついで征十郎さんの顔を見た。征十郎さんは、はじめまして、と腰を屈め、私に手を差し出してきた。

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