ジャンル:アイドルマスターsideM お題:女の旅行 制限時間:30分 読者:863 人 文字数:873字 お気に入り:0人

プロデューサーちゃんとS.E.M


 前日に準備はしていた。朝は朝食の一時間前には目覚めて、身支度もある程度整えておいた。それでもシーツを整え、歯を磨いて髪を纏めなおした頃には時間ぎりぎりだった。まずい。一分も時間を無駄にはしたくない、と硲さんの冷ややかな言葉が脳裏によぎる。慌ててボストンバッグをつかみ上げ、キャリーバッグを転がして一目散に廊下を駆けた。

 ホテルのロビーにはすでに、荷物を纏めた三人の姿があった。予定時刻までまだ三分あったが、待たせてしまったことに変わりはない。
「ッ遅くなりました、すみません!」
「Don't Mind! 気にすることないよ、プロデューサーちゃん」
「でも……!」
 舞田の明るい笑顔を見ても、今ばかりは心が晴れない。
「ここで話し込んでも仕方がない。ひとまずはチェックアウトを済ませてしまおう」
 硲さんの意見はもっともだった。口ごもる私を制して、硲さんは四人分の手続きに向かう。
「あ……」
 本来は、プロデューサー以前にマネージャーとしての役割が強い私の仕事だった。それを、アイドルにやらせてしまうだなんて。
 ショックを受ける私の横で、山下さんが柔らかな笑みを浮かべている。
「ほんとに、気にすることないと思うよ。プロデューサーちゃんも女の子なんだから、身支度に時間かかるだろうし」
 そうそう、と舞田が頷く。「Make upとか、Dress upだとか……あと…………」
 舞田の声が遠のいていく。胸が痛い。このささやかすぎる膨らみさえ、彼らとの距離を隔てる十分な壁になりうる。どうしたって私は、彼らと同じにはなれない。
「プロデューサー」
 事務処理を終えた硲さんが、不思議そうな顔で戻ってくる。「どこか、具合でも悪いのか」
 胸元を抑えたまま固まっている私に、硲さんは奇妙なほど優しい。
「え、プロデューサーちゃん大丈夫?」
「少し休んでから出たほうがbetterかもしれないね?」
 舞田も、山下さんも、どうしてそんなに私に気を遣ってくれるのだろう。優しさを払いのけるように、大丈夫ですと首を振ったところで送迎バスが来た。

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