ジャンル:テンミリオン お題:8月の道 制限時間:1時間 読者:345 人 文字数:902字 お気に入り:0人

ガールズ・ヘイト・サマー

 夏の日差しが私達を照らした。テミは白いワンピースを着ていた。
「お祝いが終わってからマゼンダさんと一緒に出かけるのは初めてですねぇ」
「そうねー」
 顔をしかめながら応える。確かに、魔王を倒してからテミと出かけるのは初めてだ。というか、あの盛大に過ぎる祝賀会が終わってから討伐隊のメンバーと会うこと自体が初めてだった。
 テミがサンダルを鳴らす度に、その純白のワンピースが揺れる。私はほとんど部屋着だった。辛うじて余所行き用のスカートを引っ張りだしてはきたけれども。
「お兄さんへのプレゼントだっけ? 買いにいくの」
「ええ、別に誕生日をスルーしてもそれはそれで喜ぶんですけど、面倒なので」
「うん。……んん?」
 テミがおかしな事を口走った気がしたが、気にしないでおく。日常茶飯事である。
「暑いですね」
「そうね、もう本当うんざりするわ……」
「うーん、マゼンダさんは暑いのお嫌いですか?」
「……好きな奴なんて居んの?」
「私は好きですけどね、こうやって日差しと生ぬるい風にあてられて、歩くの。確かに気持ち悪いことは気持ち悪いんですけど、どこか心地よくて」
 テミが涼しい顔で、しかし汗を滲ませながら言う。確かに心地よさそうに見える。私には理解できないけど。
「えぇ……」
 それに、とテミが続けた。
「ほら、日差しを厭うこともそうですけど、そうやって日々の些細なことに一喜一憂することをもう、ずっとしてなかったなぁって」
 テミの言葉にはっとする。
 言われるまで気が付かなかった。こうやって夏を感じながら歩くことすら久しぶりだった。旅の最中は、夏なんてただの季節の一つだった。いつの間にか過ぎ去っている。
「……そっか、そうよね」
「そうですよぉ」
 テミがいつも通り、のほほんとした顔と口調で応える。
 夏の日差しが容赦なく顔に照りつける。少しづつ、ただの人間に戻っていけるような気がして、嬉しかった。ていうか私はテミに言われるまで気付かなかったのか。どれだけ人間として麻痺してたんだ。
 これからこんな日常を、何度も繰り返すことが出来るんだ。
 夏は暑いから嫌いだった。また嫌いになれた。

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