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魚になれない男たち ※未完

求められたかった。


レオナルド・ウォッチが事務所の扉を開いたのは午前二時を回ったころで、おかしなことにドアを開けてみると電気が付いていて人の気配があった。丑三つ時にこんなところに足を向けている自分を棚にあげて、レオナルドは首を傾げる。別に招集はかかってなかったよな。
ライブラは秘密組織だ。だからなのか、建物の構造は毎回毎回異なっていて、その中にある”しるし”が道順となる。今日はたまたま、部屋の連なる日だったようで、事務所と思ったそこは事務所ではない。同じ壁材と同じカーペットの同じようなテイストにそろえられた30平方メートルほどの小部屋で、そこに据えられた椅子にはザップが横柄に腰掛けていた。
「おう、陰毛童貞じゃね~か」
「開口一番罵声とか俺アンタに恨まれるようなことなんかしました?」
多分していない。こういう男だということを、レオナルドは本当は口にせずとも分かっている。それでも人間として依然と矜持を大事にしたいのでつっこまずにはいられない。甘んじてアイデンティティを陰毛にしてなるものか。彼が騒げば騒ぐほど、ザップは面白がって口にするのだが、悲しいことにレオナルドがそのことに気が付くのはもっとずっと先だったし、その頃になるともはや万人がレオナルドの毛髪を恥部の毛に喩えてしまっている。現実はとてもかなしい。
「こんな時間になにしてるんですか?」
「昼寝」
「嘘吐く気あるならもっと頑張ってくださいよ~」
「じゃあ呼吸」
「じゃあってなんですか~さっきまでアンタ呼吸してなかったとでも言うのかよ~」
「そうだっつったらどうすんの」
ザップ・レンフロはそう言って手元の煙草を投げ捨てた。カーペットにじゅう、と焼けうつりそうになるのを、レオナルドは慌てて踏みしめて留める。煙草一本火事のもと。こんな建物の中じゃ誰が助けにきてくれるのかも分からない。
「呼吸しないで生きれるっていうのかよ」
「そーだよ、だって俺らはばけものだから」
流れるように次の煙草に火をつけている。よくよく見ればレオナルドが踏みにじった吸い殻はまだ長かった。ザップはひと吸いして、またその煙草を床に捨てる。「うまく吸えねえ。呼吸って難しいな」などと唇を弄っている。それが性質の悪いジョークなのか、本気なのかはレオナルドには判じかねた。レオナルドは目のいいだけの普通の人間だ。脳みそがどうにかなってしまったかどうかっていうのはおそらく視覚の領分ではないし医者に任せるべき分野だった。
「熱でもあるんすか」
「酸素が足りねえんだよ、吸えなくってよ」
「もうその話はいいんですよ」
「よかねえよ~、先輩g

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