ジャンル:遊戯王ARC-V お題:真実の笑い声 制限時間:30分 読者:665 人 文字数:1240字 お気に入り:0人

revealed(遊矢と零児) ※未完


納得した頃にはもう彼は跡形もないほどに侵食されていて、騙されたことに対する怒りなどは特段湧いてくる気配がなかった。そんな些細なこと、興味がなかった。それに赤馬零児は嘘をついていたわけではない。思惑を隠して、ただ自分と毎日デュエルをしてくれただけ。
それはそれは楽しい、楽しいデュエルだった。と今なら言える。
初めは苦痛だと思っていた。観客もない殺風景なコートで、フィールド魔法も味気のない《プレーン・プレーン》。そもそもアクションデュエルではないスタンディングで、「データの採取と君の決闘技術の向上のため」と称して付き合わされるのである。確かに赤馬零児の優れたタクティクスに学ぶところは多い、だが俺がやりたいのはあくまでエンタメデュエルで、勝つこともある程度大切だとは異次元で学んだとはいえ、早く遊勝塾に戻らせてくれというのが本音だった。
それが1週間経ち2週間経って、今では自分からもう1戦とせがむところまで来てしまった。
ここでは、エンタメデュエルを求められることはない。する必要もない。舞網で、いやこの次元でも屈指の実力者である相手を負かすことだけに心血を注げば、それでいい。割り切ってしまえばなんとも気楽で、いつしか必死に抑え込んでいた飽くなき勝利への渇望がまた、内面で鎌首をもたげてきた。
3週間経つ頃になれば赤馬の戦術やデッキ構成もかなり読めるようになり、少しずつ勝てるようになる。塾の方はそれなりで済ませ、LDSセンターコートに向かう頃にはもう、瞳が貪欲に輝くのを隠しきれなくなっている。
「デュエルの調子はどうだ」
1ヶ月経った今日、そう問われた。
「…そんなもの、あんたが一番よくわかってるんじゃないのか」
「なるほど。つまりこの1ヶ月、柊柚子などより、私の方が君とデュエルをしているという認識で相違ないな」
「そりゃもう」
「では。エンタメデュエルの調子の方は、どうだ」
それを聞くのか。聡明な赤馬は恐らくわかってて聞くのだ。
エンタメデュエルには、この数週間身が入らないでいた。いや何を持ってエンタメとするかは様々だが、スタンダード式のエンタメデュエルとしては散々な出来だった。過程より結果をつい求めてしまう癖がついてしまった。
それを特に悪びれていないのが最大の問題であるとは自分でも思っている、思っているのだが。
「私が、その状態にまで君を追い込むのがこの1ヶ月の真の目的だと言ったら」
「人を楽しませることに身の入らない、勝ちを求めるこの状態」
「そういうことになる。……君はもう、元の榊遊矢とは言えまい」
「……いいや、俺が榊遊矢でいい。俺が望めば、そうなる」
ほう、と興味深げに微笑する赤馬零児に、榊遊矢は微笑み返した。
「アンタが……貴様が欲しいのは、この力だろう?」
ひらりとデッキから1枚取り、くるりと指先で回してみせる。茶色のモンスターカードから緑色の魔法カードへ、白、黒、青、紫。人智を超えた力を見せつけ、そして最後に投げ渡す。
もとは

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