ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:オレだよオレ、真実 制限時間:15分 読者:317 人 文字数:1114字 お気に入り:0人

愛なる

タツヤはどこでも人気者になる。わかりにくく、じわじわと人気が出る。タツヤは一瞬でわかるような、目だったところは無い。だから一回くらいあっただけじゃ、その凄さが分からない。でも一回会うとまた会いたくなる。会おうと言われれば、たぶん、10人中10人がOKを出すだろう。タツヤはそういう奴だ。
タツヤは強情だった。でも、最初のうちは、ちっともそんな素振りを見せない。最初はいい奴なのだ。いや、別に、時間がたつと嫌なやつになるわけじゃない。いい奴なんだけど、境界線をきっちり引く。そこから先はだめ。そこまでならいい。拒否するわけじゃない、お互いの存在を認めた上で、彼はその線引きをする。――かっこいいと思う。俺は感情的になりやすいから、その線引き部分が下手なのだと思う。それがタイガなんだろ、とタツヤは笑い、でも制御しなきゃいけないよな、試合では、と付け足す。
感情的になるのは、決まって上手く行っていない時。感情は魔法じゃないけれど、自分を奮い立たせるトリガーになる。俺の場合、それがゾーンに入るきっかけになったりする。理性的でありながらゾーンに入るなんて芸当、できるのは青峰くらいじゃないだろうか。あと、赤司か。あいつら、ほんとバケモンだよな……。
タツヤといえば、ちょっと機嫌が良くなると、鼻歌を歌い出す。そして手近にあったものをポンポンと放り始める。ミドルの間に身につけたその技を、生まれた時から身につけていたように披露する。これもリズムだから、とタツヤは言う。ダンスを踊っているようなものだよ、こいつらで、と手にしているリンゴを不思議なリズムで放る。俺はバスケは出来ても、そういった、タイミングを計ったり、細かい動きをするのは苦手だった。楽器の演奏もまず無理だ。
大学に入って、タツヤの部屋によく行くようになって、タツヤの部屋は俺の一部のようになっていた。タツヤは誰が部屋にいてもマイペースで(さすがに女子がいる場合はとても気を遣うが)、それは俺がいても変わらなかった。本を読んだり、家具のレイアウトを変更したり、洗濯をしたり、昼寝をしたりする。約束があれば、ストリートバスケをしに行く。
俺はタツヤにそれ以上を求めていなかった。絶交された時には絶対に手に入らないと思っていた兄弟の地位をこうして取り戻せて、満足していた。満足していたのだ。
朝、目が覚めた時、時計はまだ5時前だった。タツヤはソファで眠っており、自分は床で眠っていた。送別会から帰ってきて、うとうとしていたら、そのまま寝ていたのだ。
出発の日だった。タツヤとまた、離れる。自然と彼の額に口付けていた。
タツヤ
声に出さず、彼の名を呼んだ。何度も、何度も呼んだ。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:難しいあの人 制限時間:15分 読者:501 人 文字数:969字 お気に入り:0人
そうして彼の後をついていく。気配は感じていても振り返ってくれない。彼が意地悪なのではない、怒らせたのは自分なのだ。だけれど、その理由がわからない。わからないと謝 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:強い狼 制限時間:15分 読者:588 人 文字数:742字 お気に入り:0人
だって、タツヤって呼んでくれっていうから凍りついたように固まっている火神の表情をそっと伺うと、想像通り、なんとも表現しがたい表情をしていた。青峰君、氷室さんは年 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:記憶の恨み 制限時間:15分 読者:563 人 文字数:845字 お気に入り:0人
生まれたてのひよこがそういう感じだっけ、と紫原は彼らを見て思った。片方は中肉中背。もう片方はその人より頭一つ大きいし、体格もがっちりとした筋肉がついている。小さ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:おうか ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:失敗の別れ 制限時間:15分 読者:507 人 文字数:796字 お気に入り:0人
もう遅いから、氷室が言い出したとき、火神は昔を思った。あの頃も、こうして暗くなるまでバスケをしていた。母親が迎えに来るまで、とへとへとになるまでボールを追いかけ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:素晴らしい嫉妬 制限時間:15分 読者:532 人 文字数:705字 お気に入り:0人
氷室の手つきを眺めていると、手、と言われた。て?!止まってる。あ、ああ、食うよ。うん。火神は半分だけ残していたハンバーガーを一気に口に詰め込んだ。うまいというよ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:限界を超えた子犬 制限時間:15分 読者:469 人 文字数:765字 お気に入り:0人
ボールがゴールポストにぶつかった瞬間、タイガはあっと声を上げた。身体も前のめりになり、半歩、足を踏み出した。まだお前の番じゃないよ、と言えば、分かってる、と少し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:もしかして天国 制限時間:15分 読者:517 人 文字数:737字 お気に入り:0人
火神は瞬いた。タツヤが何で。秋田にいるはずなのに、何でここにいるんだ。サプラーイズドアを開けると、パン、とクラッカーが鳴らされた。火薬の匂いと、衝撃と、薄紙がぶ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:記憶の宇宙 制限時間:15分 読者:532 人 文字数:770字 お気に入り:0人
関心の幅が広がったのは、いつでも彼の後をついて行ったからだった。星の名前をいくつも言い当てると、よく知ってますね、と黒子に感心された。氷室さんですか?ああ夏の合 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
名詮自性 ※未完
作者:かみむら ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:ゆるふわ愛され夜風 制限時間:15分 読者:487 人 文字数:575字 お気に入り:0人
氷を入れておく特別な部屋、と答えられ、何それ、と更に質問した。氷室は微笑んで説明してくれた。昔は電気が無かったから、冷蔵庫がないだろう? だからものを冷やすのに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
取り扱い注意 ※未完
作者:かみむら ジャンル:黒子のバスケ 火氷 お題:愛と欲望の処刑人 制限時間:15分 読者:518 人 文字数:749字 お気に入り:0人
悪気があって言ったのではない。タツヤが、僕がやるよ、と言った瞬間、黒子も高尾も黄瀬も、一気に顔を引きつらせた。だから安心させるために言ったのだ。タツヤは切るだけ 〈続きを読む〉

かみむら@Promptの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ モブ お題:つらい殺人 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:696字 お気に入り:0人
浮かれているのは自分より父親だった。それこそ鼻息を荒くして、ああだこうだと、何かに付けて騒いでいた。さすが江戸時代から続く呉服屋、結納の品がすばらしい、茶道も日 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ お題:出来損ないのラーメン 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:712字 お気に入り:0人
面白いネタから面白くないネタまで、玉石混交で送られてくるSNSのメッセージだった。まめにチェックはしない。一日の終わりに、たまに長めの休憩がとれた時に、新着マー 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ パラレル お題:傷だらけの耳 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:713字 お気に入り:0人
手ぬぐいを押し当てられた。いっ……ごめん。でも、けがで、血が……誰のせいだ、と言ってやりたかった。これはお前がつけた傷。お前がこの三日間のうちのどこかで付けた傷 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
島貴族にて2 ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ パラレル お題:打算的な運命 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:838字 お気に入り:0人
彼は辺りを見回しながら、案内された席まで進んだ。慣れてないんだろうな彼を誘ったのは勢いだ。実は冗談でもあった。目の前にあった島貴族。もう入ろうとしていたのだ。そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ お題:許せない極刑 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:628字 お気に入り:0人
会場は第二会議室目が合った男は、それを聞いて首をかしげた。健康診断でない?男はわずかに微笑んで首を振った。いや、俺は協力会社の人間だからそれは失礼ある程度の企業 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
まつがねの ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ お題:汚れた境界 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:723字 お気に入り:0人
だーいちゃん、と後ろから声を掛けられた。屋上への階段を登り終えて、ちょうど扉を開くところ、そこでスマホが震えたので足を止めた。声を掛けられたからではなく、スマホ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 黛葉 お題:すごいうどん 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:772字 お気に入り:0人
お代わり、と五回目の声が聞こえた。わんこ蕎麦じゃないんだからそう言ったのは実渕だった。蕎麦って腹にたまんねーな!そう言って根武谷はガハハと笑った。(こいつ、蕎麦 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ お題:意外な社会 制限時間:15分 読者:41 人 文字数:807字 お気に入り:0人
緑間はこちらを見つめ、自信の無い口調で言った。いけまさん、ですか?赤司からだろうか。それとも小野からだろうか。こちらの名前を知っているようだった。はい。そうです 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
ある日の14 ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ お題:走る罪人 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:670字 お気に入り:0人
何もわかっていないと言われているようなものだった。それでも、俺は真太郎を招き入れるために、玄関へ向かった。下働きの者たちが彼を眺め、声を掛けるわけでもなく、ちら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
押しかけっ子 ※未完
作者:かみむら@Prompt ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:黒尽くめの百合 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:692字 お気に入り:0人
こればっかりは親に感謝、ということなのだろう。何を着ても美人は美人。それこそ布一枚だって、それは変わりない。ミュシャの絵の女性たちもあきらかに布しかまとっていな 〈続きを読む〉