ジャンル:スラムダンク お題:これはペンですか?違うわ、それは酒 制限時間:1時間 読者:566 人 文字数:1381字 お気に入り:0人

バカとタバコ

Is this a pen? No! It's an alcohol


透きとおるような青い空とからりとした空気、秋も深くなり少々肌寒くはあるが、健康優良児たちは本日も関係なく校舎の屋上でたむろしていた。
秋の心地よい陽射しの中で、あるものは寝そべりあるものは食べ、そしてあるものは煙草をふかす。
その中の一人である水戸洋平は悩んでいた。
こんなつっぱった格好をしていても十代である。
悩みの一つや二つあるはずで。
しかしながら、その悩みについては少し通常の十代とは違ったものだった。
恋人について、という観点からすれば常の十代となんら代わりのない可愛らしい悩みではあるが、問題なのは恋愛についてというよりも、恋人のおつむについてである。
有り体に言えば「恋人の成績が悪すぎる」ということについて、健気な水戸少年は悩んでいた。
水戸洋平は自分の恋人に誇りを持っていた。
世界一可愛くて宇宙一素晴らしい恋人だと自負してさえいた。
ただ一つにして最大の弱点が頭が悪すぎることである。
いや、頭の出来自体はきっと悪くないだろうとっさの判断をしたり、いざというときの行動を見るに勉強が全くできないだけなのだ。
世間でいう「僕は勉強ができないから…」とかいうたいして成績の悪くない癖に周りへのポーズとして使う口上とは訳が違うのだ。
本当に勉強が出来ない馬鹿なのだ。
救いようがない馬鹿と離れたくなくて、必死になって猛勉強させて無事公立の高校に通わせた自分のほうが馬鹿なんじゃねーのとは薄々思うが(そのおかげと言ってはなんだが、水戸洋平の成績は良い)、それ自体が奇跡なのでそう何度も起こる気がしない。
今現在さしあたって聳え立つ壁にぶち当たっているのだが、本人は周りほど気にしていないのが泣けてさえくる。
そうなのだ。
高校生活は甘くないのだ。
頭が悪かろうが何をしようが卒業できる義務教育とは違うのだ。
テストの点数が悪ければ勿論補習になるし、追試になるし、最悪単位がもらえないのだ。
恋人ならきっと卒業できないことには異論を唱えないだろう。
ところがである。
彼は部活に所属していた。
運動部には暗黙の掟があり、赤点を取るとレギュラーから外されるのだ。
それを聞いた水戸洋平は頭を抱えた。
無理だ。
アイツの英語の答案用紙を見たことがあるのか?とバスケ部のやつらに言いたい。
Dis is a pen. I like sake.
しか書いてない答案用紙を…
まずディスの綴りが違うし、何度言ったらわかるのかsakeは酒であって鮭じゃない。
サーモンだこのバカ。
一応バスケ部にも厳しくて頭の良い部員たちもいるのだが、果たして底なしのバカと同じ目線になって勉強をたたき込める技術のあるやつらがいるのか甚だ疑問であるし、何故かバスケ部レギュラーのほとんどが赤点予備軍である。
何故だ。
何故俺達よりも頭が悪いんだ。
水戸洋平は自分が不良なのかさえも疑問に思い始めていた。
中学のときのように自分が胃を傷めながら、甘やかすのが大好きな自分のケツを叩いて可愛い恋人に厳しくしつければ済む話なのだろうけれども、既に鞭役が居るんだから自分くらい甘やかしてやりたいと思うのは贅沢な話なのだろうか。
水戸洋平はぷかり、と紫煙を吐き出すのだった。


おわり

ようはながすきなのです。

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