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夢と現の狭間で

メリーは眠ることが多くなった。
今日は何をしよう、何処へ行こう…そう話をしていたのに、彼女は私の家に着いて直ぐに微睡むようになった。

「メリー、起きてよ。私暇なんだけど。」

呼びかける声に返答はない。ただ、時折寝言らしきものを言っている。
そしてたまに怪我をする。

最初に気付いたのはいつだっただろう。
メリーが夢の中で転んだ、とかそういう話を聞いていたとき。
彼女は気付いていなかったようだが、彼女の腕に付いた痣は転んだときにぶつけたという場所と同じだった。
その時は偶然だと思ったが、それ以来、私は眠る彼女に何となく注意を向けるようになった。
そして、眠っている彼女にいつの間にか怪我が増えていることに気付いた。

メリーは眠ることが多くなった。
そして、怪我をすることも多くなった。
その代わり、なんだろうか。
現実世界で、メリーが忘れられ始めているような気がする。
メリーのいないところでメリーの話題を出すと、大学の友人達はいつも一瞬不思議そうな顔をする。
話すうちに思い出してくれるのが幸いだ。
でも、いつか、メリーはこのまま夢の世界に行ったまま、現実世界からは消えてしまうのではないか。
そう、不安にさいなまれるようになった。

「ん…あ、おはよう、連子。」
「おはよう、じゃないわよ。今日は出かける予定だったのに。」
「ごめんね。あ、そうそう、さっき夢でね…。」

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