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【テンカカ】バカな後輩

 先輩、先輩、と。
 暗部にしては珍しい、色彩が派手な猫の面を被った後輩は、まるで雛が箒の先を追うようにカカシの後ろをついて回ったものだ。
 確かに逆立ったカカシの頭は箒に見えなくも無かったが、なぜあの大蛇丸の実験所から救い出されたテンゾウがカカシに懐いたのか分からない。
 刷り込み現象ならカカシよりもっと先に幾人もの暗部や、それこそ三代目も見てであろうに。
「お前、なんなの?」
「なに、と仰られても……」
 たぶん、そのころのカカシは荒れていたと思う。鉄の自制心ゆえに傍から見れば荒れているように見えなかっただろうが、表に出ない分、細かくささくれ立って荒れていたのだ。
 親友との約束を反故にし、この手でリンの命を奪った日から。
 誰もがあれはリンが自ら死を選んだ、カカシの性のではない、彼女は自分が利用されないために自死によって里を救ったのだというだろう。
 だがそれは詭弁に過ぎない。
 オビトおとの約束を反故にした事実は、カカシの中で消えない。
 屈折して荒れていたカカシは、奇妙な後輩をあからさまに邪険にしなかったが、それでも大事に扱わなかった。それくらいテンゾウも分かっていただろう。
 それなのに、先輩、先輩と。
「お前、なんなの?」
 何度もそう言った。
 何がしたいのだ、目的はなんだ、俺にどうしろと?
「なに、と仰られても……」
 尊敬してます、憧れです……ただ、あなたの。

 それ以上の言葉はテンゾウは言わなかった。暗部式拷問にかけてやろうかとも思ったが、きっとテンゾウは口を割らない。
 ならば口が緩むまでそばに置こうと、そう思っただけった。

 先輩、先輩、先輩、と。

 カカシの背中を守り、カカシの腕となり、手練れとなった日でもテンゾウは口を割らない。
「いい加減、言いなさないよ」
「先輩の気持ちに余裕ができたら、いつか」
 大きな目を眇めてそう言っていたくせに、いつの間にか大戦を前に姿を消した後輩。 
 生きているだろうか、無事なのか。その思いは心の底に封じ、カカシは寒くなった背中で洗浄に出る。

 こんな裏切りはないでしょうよ、バカ後輩が。

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