ジャンル:黒子のバスケ お題:穏やかな学校 制限時間:30分 読者:431 人 文字数:1206字 お気に入り:0人

はやにえ

誠凛高校はいい所。校舎は新しいしスレた輩もいない落ち着いた雰囲気の学校だと自負している。
群れて強がるヘタレがいないのは非常に過ごしやすい…実際そうなのだけれど俺が言えたことじゃあないよなあ、入学式で金髪メガネとしてほんのちょっと名を馳せた俺が。
しかし上には上がいた。俺が言うのはなんだかということはもう分かりきっているから。しつこいな。
上、そりゃ間違いなく木吉鉄平という天然すっとぼけ野郎に他ならない。あいつの言動には肝を抜かれっぱなしで、女子には一見頼られてるように見えるが知ってるんだからな、お前と一緒にいた奴は一人残らず自分の存在を見失って出てくる。あの伊月が腑抜て俺のところ訪ねてきたんだ、「あいつ人間だったっけ?」とか言ってたんだ。お前ヘンタイだろ。

だからそんな調子でいつも別次元を漂ってるお前が忽然と姿を消したと言われても何ら不思議なことではなかった。涙目のリコに腕を掴まれ興奮と少しばかりの嫉妬を覚えながら校舎を探す。
トイレ屋上倉庫、穴があくほど探した。女子トイレはリコに任せた。校長室は生徒は入れないから除外。職員室も除外。隠れられるわけがないもの。ロッカーも見た。どこぞのガングロよろしく屋上も探した。気色悪いくらい探した。
一時間もすれば流石に探す場所もなくなり、見つかるだろうユウレイじゃあるまいし。

そう思っていたのに。
どこを探しても痕跡すらない。
あの巨躯なら入るだろうというところはすべて探したのに。倉庫でマットに埋もれた俺の苦労はなんだったのかという冗談すら出てこないほどひへいしているのに。お前は試合中いつも丁度いい所で出て来てくれたじゃないか。どこ行った。
流石に心配になってくる。
「あと見てないのグラウンド…だけどあんな開けた場所隠れられる、わけない、」
リコが提案した。声は震えている、かつての恋人が消えたなら俺だって泣きたくなる。恋敵が消えてくれてラッキーそういうわけでもないんだよ。
あり得ないと思いつつもグラウンドへ。玄関もきっちり探した。

もう遅い時間だから照らすのは街灯くらい。今日は野球部もいない。
暗い砂を注意深く観察しながら明りの少ないほう、校舎から離れたほうに。暗いと言っても人の顔はしっかり見える明るさはあるから暗がりからわぁと出てくるようなことは出来ない…
そんなふざけたことを一瞬でも考えてしまった自分を殴りたい気持ちを抑えて、グラウンドの一番端の桜の木の下まで来た。リコはもう目も当てられないほど怯えていて、頭をなでてやる。あいつほど手は大きくないけれど。なでるくらいできる。

木の根元には何か落ちていた。それも物ではなく、液体のようなもの。色はよくわからないが、暖色系だろう。
液体。暖色系、恐らく赤。それで結びついたもの…

木を見上げると、枝には

「ぁ」

上から伸びた長い大きい掌が、俺の頬にぽたりと、血を落とした。

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