ジャンル:ガールズ&パンツァー お題:愛の月 制限時間:30分 読者:273 人 文字数:1007字 お気に入り:0人

Speak to Me ※未完

「月が綺麗だね」

 そうわたしに言ってくれたのは二年前の秋のことだっただろうか。思い返せば、あなたは既に限界だったのかもしれない。
 別にお月見をしたくてしていたわけではない。同じ部屋にいて、窓をみたらたまたま月が見えた、それだけのこと。
 雲一つない夜。わたしはノンアルコールビールを片手にみほの隣で月を仰ぐ。
「エリカさん、お団子食べたいね」
「いまから買ってこいってこと?」
「え……そこまでは言ってないよ……」
「そう、それは悪かったわね」
 みほは気にも止めない様子で月を眺めている。
 わたしはそれ以上言葉もかけられず、缶を一気にあおってベッドに逃げ込んだのだった。
 もしあのとき、なんて言葉はいくらでも出てくる。このときだってそうだ。
 気の利いた言葉をかけてあげることも出来ず、後悔したのはみほがいなくなってからのことだった。

 秋の夜。三年最後の秋。
 世界大会にむけての強化合宿という名のもとで夜戦が行われていた。
 わたしが指揮する黒森峰女学園の先鋭ティーガーⅡに対するのは大洗女子学園、みほが率いる”あんこうチーム"である。
 月明かりも届かぬ深い森を抜け、敵を探す。
 訓練で少しは夜戦の経験があるといってもここまで真っ暗な中での戦いは初めてであった。
 一対一。誰にも邪魔されずみほと戦える絶好の機会。逸る気持ちも抑えきれず駆け出したまではよかったものの、視界の悪さと静かすぎる森の中では慎重になるしかない。だがそれを望んでいるような気がして、もしかしたらこの時間が無限に続けばいいのにと心の片隅では願っているのかもしれなかった。
 一時間が経過したところで無線が入る。
『エリカさん?』
 機械を通じてのくぐもった音だがたしかにみほの声だった。
「なによ。まだ戦いの最中よ」
『空、見える?』
 急いで上を見上げる。
「何も、木が邪魔で」
『残念、すごく月が綺麗なんだよエリカさん。二年前のこと覚えてる?』
「忘れてない」
『ならよかった』
「団子は持ってきてないけどね」
『帰ってから食べよう』
「その前にこっちの71口径を喰らわせてあげるわ」
『火薬臭い団子は嫌かも』
 無線越しに笑っていた。
『ちょっとずるしようか』
「なにを?」


 後で気付いたが「月が綺麗ですね」とはとある言葉の英訳なのだ
 誰かが言ったことだと
 夏目漱石ではないのは有名だけど。
 その意味は

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