ジャンル:スーパーダンガンロンパ2 狛日 お題:鈍い姫君 制限時間:30分 読者:209 人 文字数:2036字 お気に入り:0人

不完全な君はいつだって誰より疑り深い

「あはは!酷いな、本当だって言ってるじゃない」

からからと笑う狛枝。
彼は嘘を吐いている。
嘘を吐いているに、決まっている。

「だからさぁ・・・ボクは君が・・・日向クンの事が好きなんだよね。嘘じゃないよ?
 こんなゴミクズに欲情されて溜まったものじゃないかもしれないけど・・
 君が本当に好きなんだよね」

嘘に、決まっているんだ。
どうせまた俺を困らせようとか、希望の踏み台がどうとか言い出すに決まってるんだ。
だって―ありえないだろ?
俺は男で、狛枝も男で。
そこに友情があったとしても、恋愛感情なんて生み出される筈が無いだろ。
狛枝も、普通に俺なんかより、他の女子の方が可愛いだろうし、好きに決まってる、と思う。
性同一性障害とか。ゲイとか。
狛枝は普通の!・・・普通の恋愛観で、普通に生きていて・・
超高校級の幸運という「才能」に振り回された人生だったとしても、だとしても。
いや、じゃあ逆に考えるか
狛枝が仮にも。仮にも、だ。
そういった、同性にしか愛を向ける事の出来ない人間だったとして。
どうして、俺なんだ?
俺は日向創。179㎝、胸囲は91㎝。誕生日は1月1日、A型。これといった特技は無い。
至って普通の、哀しい位に普通の、男。
俺の何処がいいんだよ、どうして俺なんだよ!

「決まってるよ、日向クン。はは、ちょっと恥ずかしいんだけど」

にこにこと、どこか陰りの感じられる笑顔。
狛枝はそこに、少しはにかんだ笑みを混ぜる。
笑って、笑って、笑って。
本当の笑顔なんて、忘れてるくせに。

「日向クンの全部が好きなんだよね」

狛枝は笑う。
嘘を暴いて、正直に自白させる、だって、こんな事ありえないのだから。

「じゃあ」

俺は、狛枝に向き直り、問う。

「俺が狛枝の事を嫌いなんだって言ったら、どうするんだ?」

・・・意地の悪い質問だと思う。
性格が悪い、きっと誰に褒められることの無い。
でも、それでいい。
狛枝が「ごめんごめん、嘘だからね、本気にしないでね?」って言うまで、俺はー
俺は。

「好きになって貰える様に努力する、かな。
 こんな屑に色目使われるのは、やっぱり嫌かな。
 でも、本気だから・・日向クンに、振り向いてほしいな」

気持ち悪いかな、と付け加えて。
それに俺は、気持ち悪いと答える。
狛枝は笑う。
少し、哀しそうに。
こんな俺の事を愛する必要なんて無いんじゃないか
好きだと、振り向いてほしいのだと言うやつを。
嘘だ、俺を馬鹿にしていると思う奴を好きになる必要はないんじゃないか

「狛枝、ごめん、お前の気持ちには答えられない」

「どうして」

「俺じゃ―駄目だ」

何も、信じられなくなった。

俺が希望なんかじゃない事だって。

狛枝が俺達の未来の為に死んだって。

俺はきっと、信じない。
信じる事が、出来ない。

最低なんだ、絶望するんだ。
こんな俺なんて





「俺なんて、消えてしまえばいい」
























「それは違うよ」










こまえだ、俺はあいつの名前を呼ぶ。
けれどそれを阻止される。
ふさがれて、しまった。

「ん・・・っ」

酸素不足になって、はっ、と顔を離す。
どういう、事だ・・?
何が起きたんだ。

狛枝は、離れた唇を指で確かめる様に触ると、俺と、自分の手を、指を絡める。
そしてもう一度俺に、柔らかなその唇を重ねる。
日向クン、日向クン、と、時折俺の名前を愛おしそうにつぶやく。
分からない、俺はー分からないんだ

「嘘でも真実でも、どっちでもいいんだ」

「君をボクに夢中にさせたい」

「君を滅茶苦茶にしたい」

「ボクを、愛してほしい」

「君を、愛したい」

狛枝は、ぽつり、ぽつりと言葉を連ねる。
狭い部屋に残響するみたいに、
俺の脳内を溶かしていくように、
まるで洗脳みたいだ

「なぁ、狛枝、教えてくれないか」


「うん」


俺は、そっと、心に浮かび続ける、俺には分からない、理解出来ない感情を。

「この気持ちは、なんて呼んだらいいんだ」

狛枝は俺に、また笑う。
今度は、さぞ可笑しそうに。
面白そうに、
嬉しそうに、
愛おしそうに。


「鈍いよ、日向クン、でも、やっと気づいてくれた」





「これは嘘なんかじゃない。本当の気持ち。
 ゲームでも、プログラムもされてないし、外科的に取り入れられた感情でもないんだ。

「これはね、日向クン

「希望的で、夢に溢れていて






「うん。好きだよ、日向クン


「振り向いてくれた。ボクをやっとー見てくれた



「ありがとう、大好きだよ」







狛枝は、苦しいくらい、俺を抱きしめる。
何よりも幸せだと思える時間。
何よりも幸せだと思えた瞬間。
俺も、すっかり狛枝の事が好きになっていたらしい。












「すきだ」




同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者: いまいくんはセレス様誕を全力で祝う豚 ジャンル:スーパーダンガンロンパ2 狛日 お題:私とお天気雨 制限時間:2時間 読者:606 人 文字数:2761字 お気に入り:0人
※カゲ○ウデイズパロ。何かよく分からない並行世界(狛枝視点)。 一応グロ・流血描写注意8月も半ばになってきた暑い日の午後。雲一つない快晴だ。「やあ日向クン!こん 〈続きを読む〉

みっか先生の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:みっか先生 ジャンル:ELSWORD MMLP お題:茶色い道のり 制限時間:15分 読者:147 人 文字数:757字 お気に入り:0人
「少し寒くなってきたな」彼はぶるっと身震いを一つし、自らの肩を抱く。胸の開いたシャツを着ているから、見るからに寒そうだ。かくいう俺は、夕暮れ時、長い畑道を歩くこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:みっか先生 ジャンル:スーパーダンガンロンパ2 狛日 お題:鈍い姫君 制限時間:30分 読者:209 人 文字数:2036字 お気に入り:0人
「あはは!酷いな、本当だって言ってるじゃない」からからと笑う狛枝。彼は嘘を吐いている。嘘を吐いているに、決まっている。「だからさぁ・・・ボクは君が・・・日向クン 〈続きを読む〉