ジャンル:おそ松さん お題:100の、と彼は言った 制限時間:30分 読者:216 人 文字数:1209字 お気に入り:0人

まあ嘘なんだけど ※カラ松と一松

「全国猫カフェスタンプラリー?」
 カラ松は不思議そうに返答した。
「しっ、声が大きい」
 一松の手にはチラシのようなものが握られている。どうやら手書きのそれには、全国のオススメの猫カフェが掲載されているらしい。

 カラ松が昼寝から目覚めると目の前に一松がいて、驚くカラ松に一松が「他の兄弟には内緒にして欲しい相談がある」と打ち明けた。
 普段は嫌われている筈の大切な弟の頼みに、カラ松のテンションがにわかに上がる。前のめりで話を聞けば、「猫カフェに一緒に行って欲しい」と彼は言った。

「十四松やトド松と行けば良いじゃないか?」
 素朴な疑問を口にすればギロリと睨まれる。
 また怒られるかと思って首を竦めるが拳は飛んでこず、一松は少し考えるような素振りを見せる。
「全国を回るのはお金がかかるから」
 なるほど、カラ松は合点がいく。つまりは俺に猫カフェ巡りの資金援助をして欲しいというのだな。少し寂しい気もするが、これを機に一松と仲良くなれたらいいな。
 そう考えて、カラ松は笑顔で首を縦に振った。

「それで、何か所くらいあるんだ?」
「100か所」
「ひゃく……っ?!」
 随分と多いが、期限は無いと聞いてほっとする。

 まずは近くの店から攻めようかという話になり、近所の猫カフェに行くことになった。
 一松は手慣れた様子で店に入り、二人分のソファに案内される。
「おお、猫がいる……うわ、膝に乗って来た」
 毛の長い絨毯の上で複数の猫が寛いでいる。カラ松が座るや否や、黒猫が一匹膝の上に飛び乗った。
「その子は営業担当だからね。初対面の人によく甘えてくれるんだよ」
 一松が撫でる場所を教えてくれて、言われた通りに手を動かすと猫は満足した声をあげてするりと去っていった。

 昼飯時だったので、オムライスとジュースを注文する。
「ここの大盛りオムライスが美味しくて有名なんだけど、二人用なんだよね」
 だから僕も食べるの初めて、一松はそう言って笑った。

 届いたオムライスは確かに大きくて、鮮やかな黄色とケチャップの赤が白い皿に映えていた。
 スプーンを差し込めばとろりとした卵の下からケチャップライスが顔を出す。
「あち、……美味しい」
 どちらともなく声を上げる。
 鶏肉の出汁が染みたケチャップライスはバターの香りと相まって卵と絡まった。かけてあるソースとライスに使っているケチャップは種類が違うんですよ、と店員さんが教えてくれる。

 その後は猫と戯れて、おやつをあげたりしながら楽しい時を過ごした。
 猫カフェの代金は、結局割り勘だった。

「今日はありがと。あと99か所、よろしくね」
 一松がはにかんで言う。こんな種類の一松の笑顔を見るのは初めてだと思った。
 100の猫カフェを回ったら、もっと色々な一松の表情が見れるのだろうか。

 その夜、カラ松はとても幸せな気持ちで眠りについた。

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