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冬の話(芥藤) ※未完

お題無視


「君も、物好きだね」
「そっくりそのまま返してあげるよ」

はぁ、と吐き出した息が白かった。寒さで赤くなった鼻と指先を気にするように触りながら、隣で紫煙を燻らす男をちらと盗み見る。
透き通るような色をした瞳が、綺麗だと思った。


部屋の窓から差し込む光が、常より眩しい朝だった。なぜこんなにも眩しいのか、と外をよくよく見てみれば、一面の銀世界。どうやら夜中に降った雪が積もったようで、それが朝日を余計に輝かせていた。
比較的早い頃にこの図書館に転生した島崎だが、冬、それも雪が降る時期を迎えるのは初めてであった。

「………雪…」

この身体ではまだ新雪に触れたことはない。
雪が降るほどの冷気に身を晒したこともない。
生前とは殆どそっくり変質してしまったこの今生では、己はこの冬をどう感じるのだろうか。
他の文豪たちはどう感じるのだろうか。
思い至ってしまっては、居ても立ってもいられない。
手早く着替を済ませ、マントは冬用の厚いものを選び、耐水性のメモ帳とペンを持って、そのまま外に飛び出した。

いつも朝食の前に国木田と田山が部屋に迎えにきてくれることなど、すっかり頭から抜けていた。



そうして中庭に始まった島崎の冬への探求は、正門や図書館の近くの林を経て、いまは裏庭に落ち着いていた。
先日開けたばかりのメモ帳は、既に半分以上を埋めている。埋まったページを摘んで、存外書いたものだなぁ、と独り言ちた。
大方の興味が尽きて、若干の手持無沙汰になる。朝食を食べ損ねているし体は冷えているし、ならば館内に戻ればいいものだが、なんとなくそんな気は起こらなかった。

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