ジャンル:メギド72 お題:複雑ないたずら 必須要素:宇宙人 制限時間:15分 読者:162 人 文字数:953字 お気に入り:0人

おかえり!

 暫く間ができたので、故郷に戻ってきたマルコシアスは、見慣れた孤児院の玄関でふう、と深呼吸をした。
 アバドンを倒し、久々の休暇である。
 ソロモン一行と離れても、やることが少なくなったわけではなかった。
 悪人はどこにでもはびこっているし、ハルマゲドンの影響か、獣もなにもかも厄介になるばかりだ。
 今日もたくさんの正義をなした。悪を倒して、ヴァイガルドの平和に貢献した。
 玄関の扉に手をかけると、手元に何か違和感があった。やけに重い。違和感を感じながらも思いっきり引くと、ぴん、と何かがはじけていった。
(糸?)
 しゅるしゅると糸は縮んで、先にくっついていたバケツがひっくり返る。
「な、……なんですかこれは!?」
「わー、引っかかった引っかかった!」
 どうやら、子供たちの悪戯のようだった。
「こら、待ちなさい!」
 マルコシアスが追いかけようとすると、子どもたちは脱兎のごとく逃げていった。マルコシアスはため息をついて、散らばったバケツを見下ろした。片付けることを思うと気が滅入る。
「おねえちゃんなんか、知らない!」
 ショックだった。
 なんだか少し情けない気になって、はあ、とため息をついた。暫くあっていなかったとはいえ、この仕打ちはひどいものである。

 孤児院の子どもたちが集まって遊んでいる。こうしてみていると無邪気なだけなのに、一体どうしてあんな悪魔的なことを思いつくのだろうか。
「正義のみかた、参上!」
「次に武器を下ろさなかったら、けいこくをむししたとみなしてこうげきします!」
(なんか、子どもたちってすぐ真似をしますね……)
 少し見なかっただけなのに、まるで、言葉が通じない。
「あんたに笑ってほしいからだよ」
 院長は言う。
「私に?」
「おっかない顔をしてたよ、あんた。子供たちはずっと、あんたのことを待ってたんだよ」
 そういえば、帰って来たのは早朝で。仕掛けるなら、傍にいるほかなかった。ずっと帰りを待っていたのだろう。
「それはそれとして、いたずらは良くないことですよ」
「あんたに構ってほしいんだろうさ」
 しいっと、孤児院の長はそっと唇に指を当てる。
「!」
 扉の向こうに息を殺している気配がして、マルコシアスは微笑んだ。動機は、至極シンプルである。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

ぽつタイプライターの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:あいつの就職 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:758字 お気に入り:0人
雑魚メギド妄想その2「あの川を無事に渡り切ったら、俺たちの軍団に入れてやるよ」 そう言って、メギドはぺんと平たい石ころを放った。「おら、拾ってきな」 そんな無茶 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:疲れた逃亡犯 制限時間:30分 読者:26 人 文字数:872字 お気に入り:0人
※メギドラル時代のサレオスさんとすれちがう夢雑魚メギド妄想です 不意に姿を現した巨人の斧で、俺の軍団を率いていたメギドはあっさりと頭を勝ち割られていた。 何がそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:The Elder Scrolls お題:俺と母性 制限時間:30分 読者:40 人 文字数:1421字 お気に入り:0人
ルマーリンが着替えているほうから短い笑い声が聞こえてきて、俺はまたくだらないジョークのくだらない思い出し笑いでもしているのだろうと思って無視を決め込んだ。 そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:ぽつタイプライター ジャンル:世界樹の迷宮 お題:そ、それは・・・外資系企業 制限時間:30分 読者:50 人 文字数:1006字 お気に入り:0人
明日も知れぬ冒険者の一人として、カグツにも覚悟はそれなりにあったはずだった。 当たり前だと思っていたものが、一瞬でなくなる恐怖。確かなものなど、何一つとしてあ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:世界樹の迷宮 お題:ぐふふ、正義 制限時間:15分 読者:52 人 文字数:992字 お気に入り:0人
ひどい匂いのする腐った水をモロに浴びた仲間たち、そして私は、駆け出しの安っぽい生地でできた装備をばらばらと地面に一個ずつ置いていく。その姿が、なぜだか愉快で仕 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:帝王の絵描き 制限時間:30分 読者:60 人 文字数:1261字 お気に入り:0人
街道で幻獣と出くわした私は奇妙な集団に助けられた。 ソロモン一行と名乗る彼らは、年齢も性別もばらばらの、どこか歪な集団だった。町の衛兵が束になってもかなわなか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:彼女とロボット 制限時間:30分 読者:64 人 文字数:1584字 お気に入り:0人
「やあウヴァル、おかえり」「……ただいま、戻った」 ウヴァルは、おかえりという響きにまだ慣れない。ただいまと返事を返すのもだ。「おかえりおかえりー! 外が暑い暑 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:地獄克服 制限時間:30分 読者:92 人 文字数:1099字 お気に入り:0人
「ええ、マジかよ。さんざん水浴びたのに風呂はいらなきゃなんねーの?」「塩水じゃな、洗い流さなきゃあとあとやべーぞ」 道中、足を止めて海へとやってきたソロモン一行 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:群馬の朝 制限時間:30分 読者:95 人 文字数:1807字 お気に入り:0人
ソロモン一行がようやく、シバから遠回しに依頼された「大樹ユグドラシル」を討伐し終えたころのことである。戦いが終わって一息ついてみると、倒れた木の近くで何か物音 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター ジャンル:メギド72 お題:かっこ悪い豪雨 制限時間:30分 読者:108 人 文字数:995字 お気に入り:0人
※舟渡ししながら旅してるサレオスさんとモブのヴィータ「なあ、あんた、おれの傷は深いのか……」「いや、そんなことはないさ」 舟渡しはあっさりとそう言ってのけると、 〈続きを読む〉