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おかえり!

 暫く間ができたので、故郷に戻ってきたマルコシアスは、見慣れた孤児院の玄関でふう、と深呼吸をした。
 アバドンを倒し、久々の休暇である。
 ソロモン一行と離れても、やることが少なくなったわけではなかった。
 悪人はどこにでもはびこっているし、ハルマゲドンの影響か、獣もなにもかも厄介になるばかりだ。
 今日もたくさんの正義をなした。悪を倒して、ヴァイガルドの平和に貢献した。
 玄関の扉に手をかけると、手元に何か違和感があった。やけに重い。違和感を感じながらも思いっきり引くと、ぴん、と何かがはじけていった。
(糸?)
 しゅるしゅると糸は縮んで、先にくっついていたバケツがひっくり返る。
「な、……なんですかこれは!?」
「わー、引っかかった引っかかった!」
 どうやら、子供たちの悪戯のようだった。
「こら、待ちなさい!」
 マルコシアスが追いかけようとすると、子どもたちは脱兎のごとく逃げていった。マルコシアスはため息をついて、散らばったバケツを見下ろした。片付けることを思うと気が滅入る。
「おねえちゃんなんか、知らない!」
 ショックだった。
 なんだか少し情けない気になって、はあ、とため息をついた。暫くあっていなかったとはいえ、この仕打ちはひどいものである。

 孤児院の子どもたちが集まって遊んでいる。こうしてみていると無邪気なだけなのに、一体どうしてあんな悪魔的なことを思いつくのだろうか。
「正義のみかた、参上!」
「次に武器を下ろさなかったら、けいこくをむししたとみなしてこうげきします!」
(なんか、子どもたちってすぐ真似をしますね……)
 少し見なかっただけなのに、まるで、言葉が通じない。
「あんたに笑ってほしいからだよ」
 院長は言う。
「私に?」
「おっかない顔をしてたよ、あんた。子供たちはずっと、あんたのことを待ってたんだよ」
 そういえば、帰って来たのは早朝で。仕掛けるなら、傍にいるほかなかった。ずっと帰りを待っていたのだろう。
「それはそれとして、いたずらは良くないことですよ」
「あんたに構ってほしいんだろうさ」
 しいっと、孤児院の長はそっと唇に指を当てる。
「!」
 扉の向こうに息を殺している気配がして、マルコシアスは微笑んだ。動機は、至極シンプルである。

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