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やすなの決意



「ソーニャちゃん、今日という今日は行かせないからよ!」

仕事に向かおうとする私の前に立ちはだかるやすな。後ろ手になにか隠し持っているのがバレバレだ。

「食事に行くだけだよ、邪魔しないでくれ」

「そんな事言って!本当は殺しの仕事なんでしょ!」

今更隠しても遅いのに、いつもこのやり取りをしている。私だってやすなの心配を無為にするのは心苦しい。だから退いてくれと警告して、いつもやすなを気絶させて仕事に向かっている。

「今日の私はいつもと違うんだからね!」

隠しているつもりの何を投げる気か。危ないもの、虫、ホラーな何か。何が飛んできても対処出来るように身構える。

「……えいっ」

赤い何か。花束のように見えるが念の為避ける。ばさりと床に落ちたのは薔薇の花束、4本纏めてある。突然、視界の外から抱きついてきたやすなに押し倒された。

「ソーニャちゃん……もう、やめようよ……」

涙をいっぱいに湛えた瞳に見つめられる。普段と違う様子に困惑するが、ふと投げつけられたものの意味を思い出して振り払う事が出来なくなった。

「ね……?やめようよ、駄目なら私を殺してこら行って……?」

震える肩と声、私の頬に落ちる熱い雫。演技だなんて思えるはずがない。

「……私は……私は、」

永遠にも感じられる静寂を破ったのは私の声だった。

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