目線 ※未完
見る世界、住む世界が変わってしばらく経つ。
ふと以前まで見ていたはずの世界に目を向けると、それが元から存在したものなのか、新たなものなのかが曖昧なことに気づく。
ずっと見ていたはずなのに覚えていない、それはきっと世界をきちんと見ずに生きていたということだろう。
今見ている世界も、きっと全貌を捉えることはできないまま過ごすのだろう。
「かたなさん、変な顔してるけど何考えてるんです?」
「え、そんな顔してました?真面目な内容ですよ、花咲ちゃんには難しいでしょうけど。」
「今ちょっとバカにしましたね!?」
「まあまあ、僕にも言葉にするのは難しい話なので。」
誤魔化してまた窓の外に目を向ける。
花咲ちゃんは「何かあるんですかー?」と背伸びをして横に立つ。
僕たちは同じ方角の風景を見つめる。
だけどきっと見えるもの、感じるもの、思うこと、思い出すことは違うだろう。
見慣れた景色に見慣れない何かが増えるように、
見慣れない景色に見慣れた風景を重ねるように、
去年の街並みが思い出せないように、
来年の街並みが予測出来ないように、
僕たちのこれまでとこれからなんてあまり考えすぎないほうがいいのかもしれない。
今刻める何かを刻んで行くことが僕たちを構成し、僕たちの足跡になっていく。
「かたなさん、やっぱり変な顔してる。」
「自己満足でにやけてるだけですよ、変な顔って言わないでくださいよ。」
「そういう顔かあ」
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