勉強させられている万作 ※未完
道万道と思われる話。
正直、東京に来たら口うるさい親の手から逃れられると、内心嬉しかった万作だったが、いざ木枯らし荘にやってくると、新たなる心労がすぐ訪れた。
「名門の雷門中学校の学生になったなら、サッカーはもちろん、勉強もきちんとやらないと本当の名門とは呼べないぞ」
「もう11時ですよキャンプテン…練習で疲れたし、俺早く寝たいんですけど」
練習後、自由時間ののち、夕食の席で道成が明日人に何か聞いたかと思うと、万作は指を指された。
別に何も悪いことはやってないよな…いろいろ考えている万作のもとに、道成が険しい顔で一言、明日提出の課題を持って部屋に来いと呼びつけられた。
「万作もついにキャプテンの鬼指導が入ったな」
横でカレーライスを頬張りながら、慣れっこだからと言わんばかりな威張った風で剛陣は笑った。
「は、鬼ってなんすか」
「行けば分かるぜ。俺は雷門にくるって決まった日から提出物は完璧にしてるからな!」
…嫌な予感はしていたが、予想を超えた時間拘束に、万作はどうやってこの場を投げるかばかり考え始めていた。
「俺、数学苦手なんですよねえ…だから応用は解かないで提出してもいいって先生からは言われてて」
「ふ、万作は嘘をつくのが下手だな。この前伊那国の廊下で明日人がおまえのテストの点数を褒めてたの全部聞こえてたぞ」
「や、本当に分からないんですって」