ジャンル:刀剣乱舞 燭へし お題:とびだせジジィ 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:1184字 お気に入り:0人

最後の押しの一手 ※未完

「だから、いつもいつも言っているだろう」
 大太刀はもちろん、槍の刀剣男士さえすっぽり収まるほど深く掘られた穴を見下ろして、へし切長谷部は面倒くさそうに言い放った。
 中には一振りの刀――鶴丸国永が笑いながら丸く開けた空を見上げて、そこにいる長谷部に口先だけの謝罪をしていた。
 そんな二人のやり取りを尻目に、燭台切光忠は頼まれた通り縄を取りに物置へと向かっていた。本丸の隅、馬小屋のあるあたりに農作業用具などをしまっている小屋が物置として使われていた。多分、あそこに足りる程度の縄ならあるはずだった。
 季節な夏――そう、審神者が現世の季節に合わせている気候によって、この本丸周辺の気候は決まっていた。だから、ちょっとの距離を歩いているだけでも汗がじんわりと肌を濡らしていく。さほど不快ではない程度だが、爽快でもない。
 時折そよぐ風が気持良く、縁側に吊るしている風鈴が音をたてると涼しさを感じられるほどだった。

「さて……結構長いほうがいいのかな」
 いくつか縄はあった。中でも1番長そうなものを選び出し、燭台切は手にして戻っていく。
 短刀達と落とし穴を掘ったり、びっくり箱なるっものをつくってみたり、驚きを与えるのに余念がない鶴丸は常に長谷部に小言を言われていた。だが気に留めることもなく、むしろ怒りに満ちは長谷部の顔を笑顔に変えてやろうなどといい出し、突拍子もない事をするのが常だ。
 常に気を張っている長谷部をただ驚かせたいのか、遊び倒したいのか。はたまた、彼を本当に緊張から解き放ちたいのか、それとも別に何かがあるのかは知らないが。

 いや、違うな。と、燭台切は小さく唇を歪めた。
 そのどちらでもあり、そして、矛先は長谷部ではなく自分にあるのではないかと思い至った。鶴丸とはそういう刀だ。
 常にそばにいて、そして出会った当初から恋慕の情を抱いていた自分をも巻き込んでみたいと思っているのではないか。と考え至った。だがこれもまた、考えすぎた結果かもしれないと思って、燭台切は首を振った。

 それに、目の前の穴のそばに長谷部がいないという状況を目にして、にそれらの考えは嵐の如く吹き飛んでいった。
 恐る恐る近づいて行くと、情けない声が穴の中から響いてきた。

「しょ、燭台切! 助けろ!」
「ちょっと……なんで長谷部くんまで落ちてるの」
「俺を気にかけて一緒に落ちてくれたんだろう? なー、はせぶぇ」
 長谷部の手が鶴丸の顔を押さえつけ、強制的に言葉を遮らせた。
 高さは高いとはいえ、幅は狭い。
 そんな場所に二人は密着して埋まっている。
 殆どは、長谷部が鶴丸を踏みつけているため、鶴丸の服は泥に塗れつつあった。
「縄、縄をよこせ!」
「あー。うん」

 しかし――この密着はいかがなものか。
 縄を垂らしながら燭台切は大きくため息を吐いた。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:リエ*10/10B07 ジャンル:刀剣乱舞 燭へし お題:東京の空想 制限時間:15分 読者:238 人 文字数:488字 お気に入り:0人
「変な夢を見たんだ」「ふん」 長谷部は鼻を鳴らした。それはバカにした態度なはないともう知っている。不器用な長谷部が先を促すときの癖だ。光忠は口を綻ばせた。夢に出 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:さとうのりこ ジャンル:刀剣乱舞 燭へし お題:真紅の怒りをまといし負傷 制限時間:15分 読者:200 人 文字数:659字 お気に入り:0人
随分と深い傷を負ってしまった。死なない程度ではあるが、戦闘は出来ない。幸運だったのが、最後の一体が俺と相打ちであったことだ。進むか、戻るか、今なら選択ができる。 〈続きを読む〉

ぽん@重傷進軍中の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:ぽん@重傷進軍中 ジャンル:刀剣乱舞 燭へし お題:とびだせジジィ 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:1184字 お気に入り:0人
「だから、いつもいつも言っているだろう」 大太刀はもちろん、槍の刀剣男士さえすっぽり収まるほど深く掘られた穴を見下ろして、へし切長谷部は面倒くさそうに言い放った 〈続きを読む〉