ジャンル:黒子のバスケ 子ども世代 お題:黒尽くめの百合 制限時間:15分 読者:32 人 文字数:692字 お気に入り:0人

押しかけっ子 ※未完

こればっかりは親に感謝、ということなのだろう。何を着ても美人は美人。それこそ布一枚だって、それは変わりない。ミュシャの絵の女性たちもあきらかに布しかまとっていない姿のものもいくつかあるらしい。
首が長いからかな
私がそう言うと、尚子はあからさまに嫌な顔をした。褒めているのにほめられていると思っていないようだった。というか、昔から私が彼女の容姿をほめると首を傾げた。自覚がない、というより、外見をあまり気にしていないらしい。
薄手のタートルネックのトップスにジーパン。かのジョブスをまねしたような格好だった。台風が来て、雨に濡れて、びしゃびしゃのまま歩くのも苦痛で、電車は遅延をしていた。遅延していた電車は混んでいて、ぬれた身体で湿度の高い車内に押し込められるのも苦痛だ。
和成君に連絡してみようよ
私は提案した。最寄り駅から一駅のところに高尾和成は住んでいた。幼い頃から私や尚子を可愛がってくれた人。私が大学生になった今も、もちろん交流はあった。
泊めてもらおうよ
許してもらえたらね
二つ返事で許してもらえるだろうとわかっていたけれど、一応、そう答えた。高尾は玄関のドアを開け、濡れ鼠二匹、と笑いながら、タオルを渡してくれた。
着替え、オレのしかないからね
一般服はそれほどない、と断って、高尾は私たちが着る服を出してくれた。
スーツとかシャツとか、そういうのがほとんどなんだよ
父もそんなことを言っていた。休日らしい休日がない職種の人間はだいたいそうなのだろう。──征十郎さんは違っていたが。そして渡されたのが、チノパンとジーパン、タートルネックのトップスとTシャツだった。

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