ジャンル:おそ松さん お題:殺された税理士 必須要素:三島由紀夫 制限時間:4時間 読者:47 人 文字数:1529字 お気に入り:0人
[削除]

【元気がないおそ松兄さんの話】

「なぁなぁ、三島由紀夫って誰だっけ?」
「はぁ? 知るかよ、誰だよ」
「俺の記憶だと、歌手らへんだった気がするんだよなぁ~」
「じゃあそうなんじゃないの」

 何時ものような会話。

「そう言えば最近テレビでやってたんだけど、税理士がストーカーに殺されたらしい」
「へー…ご愁傷さま」
「俺じゃねぇし! 云うならテレビに云ってよ!!」
「…それテレビに云うなら本人の家族に……いや、何でもない」

 何故、ぎこちなく感じるのだろうか。何故、こんなにも寂しく感じるのだろうか。

 頬に涙がつたう。
 あぁ、どうしてこんなにも胸が苦しくなるのだろうか。嗚咽で泣いているのがバレていないだろうか。
 あぁ、僕がこんなにも胸が痛いのだから、あの人はもっと痛いのだろう。
 この痛い思いは何時、終わるのだろうか。
 もう無くなってほしい。
 あの方を忘れたくはなかったが、この気持ちは無くなってほしかった。

 すると足音がした。
 正確に云えば床が軋む音。

 この涙を見たらなんと云われるだろうか。というかその前に涙を見られるのが嫌だった。
 パーカーの裾で涙を拭った。けれども涙は止まらなかった。洪水を起こしているようだった。

 肩に暖かい物が掛けられる。

 後ろを振り向くと案の定、あの人、おそ松兄さんだった。

「何泣いてんだよ、一松…。

…って、云いたい所だけど、流石にまだ立ち直れねぇよな、お前は」

 何てったって、優しい奴だもんな。そう云ったおそ松兄さんの顔は酷い様だった。隈が酷く出来ていて、顔もやつれている様だった。

「おそ松兄さんこそ、酷い顔、してるよ」
「…んあーやっぱりバレる?」
「バレバレ」

 あちゃー、と顔を覆う姿は本気で云っていないことがわかる。

「やっぱりなー…うん、やっぱり俺だってしんどい時あるんですよー」

 その言葉に深い意味はないのだろう。けど、やはり長男としての責任、重圧があるのだろうと思う。

「…いつも、ありがとう」
「おっ、なぁにー珍しいじゃん。どったの?」
「別に…何となく」
「全くー素直じゃないんだから~」

 そう茶化すおそ松兄さんだったが、その瞳の奥は辛そうに見えた。

 何もしてやれない自分が酷く、恨めしかった。





 それから二月ほど経つとやはり慣れは出てくるらしく、もう流石に毎日は涙は出なかった。しかしその分、おそ松兄さんのやつれ具合は酷くなる一方だった。

「もう! 流石にご飯食べなよ!」
「そうだぞブラザー。この容態は少々放っておけないな」
「いっぱい食べる!!」

 そう兄弟たちは心配をするが、おそ松兄さんは「悪い」「食欲ない」の言葉で通す。
 今ではもう、水しか飲んでいないんじゃないか、と思うほど。どっかの三男見たいにガリガリで、立つことすら億劫そうにする様だ。

 けど食べる時は食べる。
 三男の声かけがあれば、どっこいしょ、といった風に重い腰をあげるのだ。

「ほら、さっさと食べろよ」
「あー…はいはいわかりましたよーだ」
「はいは一回」
「はーい」

 いつも居てくれれば良いモノを。この兄は毎日居ないのである。

 たまにふらっと帰ってきては、へらっと笑ってみせご飯を食べるのだ。けどその日にちは決まっておらず、本当にたまに来るだけだ。

 就職したら云う筈のこの人が云わない、ということは、まだ受かってはいないのだろう。

「…やはり、チョロ松の声かけがあると食べるんだな」
「…そうだね、いつも居てくれればいいのに」

 本当にいつも居てくれれば良いのに。そう願うが、僕は叶わない事を知っていたんだ。


「だって、チョロ松は_____」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:そゃーす ジャンル:おそ松さん お題:許されざる喜劇 制限時間:4時間 読者:155 人 文字数:1596字 お気に入り:1人
おそ松兄さんが死んだ。チビ太の店からの帰り道、六人で並んで歩いていた時に突っ込んできた車によって殺された。たまたま隣を歩いていた僕は何が起きたかもわからず、おそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はちこくん ジャンル:おそ松さん お題:光の小説合宿 制限時間:4時間 読者:105 人 文字数:1221字 お気に入り:0人
愛の物語は一松には書けない。砂を吐くようなでろでろの粘膜の擦りあいは他の有象無象にまかせておけばよい。……などと言える立場ではなく、今回も締め切り間近にうんう 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:へせ ジャンル:おそ松さん お題:小説家の許し 制限時間:4時間 読者:170 人 文字数:4508字 お気に入り:0人
その男は新任らしい青臭さを全身から放っていた。優しさですべての心を篭絡できると信じ込んでいる、真っすぐな、キラキラした目で教壇に立ち、自己紹介を始めたとき、なん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:八条 媛明 ジャンル:おそ松さん お題:臆病な同性愛 制限時間:4時間 読者:294 人 文字数:4616字 お気に入り:0人
一松の命は290円だ。咥えて吸って火をつける。その流れでくすんだ紫煙を綺麗なままの空気と混ぜて肺に送る。ドロドロとタールが肺の、肺胞の、それら細胞一つ一つを黒く 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:槇名有 ジャンル:おそ松さん お題:おいでよ年賀状 必須要素:岩塩 制限時間:4時間 読者:323 人 文字数:288字 お気に入り:0人
※死ネタ ブラザーたちのために最高級の岩塩を採ってくるぜ、と言ってカラ松が家を出ていったのは12月の半ば頃。そうして約一週間後の聖夜、遠いヒマラヤ山の中腹から、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:槇名有 ジャンル:おそ松さん お題:寒い女祭り! 必須要素: 制限時間:4時間 読者:387 人 文字数:649字 お気に入り:0人
女子松さん6名は、6人乗りのレンタカーを借りて、山を二つ越えた先にある縁結び神社を目指していた。運転手はカラ子が務め、ナビのおそ子は助手席に座り、我先にと車に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:槇名有 ジャンル:おそ松さん お題:忘れたい境界 必須要素:ギター 制限時間:4時間 読者:305 人 文字数:1691字 お気に入り:0人
「ねえみんな、トト子のバックバンドやってみない?」 幼馴染の女の子は、大事な話があるの、と言って六つ子を部屋に集めると、単刀直入にそう言った。曰く、商店街のイベ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:へせのジョル仗ラーメン減量用しめじ大盛り ジャンル:おそ松さん お題:彼女と過ち 必須要素:まいたけ 制限時間:4時間 読者:459 人 文字数:5205字 お気に入り:0人
清貧、という言葉がある。彼女の事である。高卒ニートで、人間性も恐らく最低の部類に入るだろう同世代カースト圧倒的最底辺の住民、松野カラ松は彼女を見た途端、春一番の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:狐狗羽-koku-@低浮上 ジャンル:おそ松さん お題:とてつもない海辺 制限時間:4時間 読者:403 人 文字数:1546字 お気に入り:0人
あたりはもう暗く、波が寄せては引いてを繰り返す音と探索者のような砂を踏みしめる足音だけが聞こえる。ここは遠く離れた、知らない土地の海辺___「…おそ松兄さん、い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:狐狗羽-koku-@低浮上 ジャンル:おそ松さん お題:団地妻の許し 必須要素:繊細な心理描写 制限時間:4時間 読者:316 人 文字数:2133字 お気に入り:0人
…お題にそってなかったらごめんなさい;;繊細だろうか…?チョロ松の夢小説でいきます!ーー……時計は夕方の7時を指している。私は玄関先で彼を待っていた。__そう、 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:誰かと奈落 制限時間:30分 読者:6 人 文字数:1126字 お気に入り:0人
誰かと奈落に落ちるなら。そんな例え話を聞いたのは先日の外務省関連の飲み会だったろうか。奈落といえば仏教における地獄だ。地獄ということは大いなる罪悪を犯した者が、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:グランブルーファンタジー お題:今度のお天気雨 必須要素:ゴルゴンゾーラ 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:535字 お気に入り:0人
「あらー」上空から降ってきた雨を見もしないで、仲間と逸れた特異点は、地面と水滴が響かせる雨音を聞きながら、葉が零してしとどになった髪を後ろに流して、しまったなと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:帝王の誤解 制限時間:30分 読者:9 人 文字数:1192字 お気に入り:0人
「ほ~ん。それで?マトリちゃんは何をご所望なの?」ぐいっと近寄られると、端正な顔立ちと射抜くような瞳にがんじがらめにされているように動けなくなる。「えっと、です 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:名探偵コナン お題:12月の勝利 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:784字 お気に入り:0人
昔ある脱出系バラエティ番組でこのような暗号を見たことがある。色のついたコードが何本かあり、暗号を解いて正解のコードを切れば外に出れるというものだった。『12月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:名探偵コナン お題:地獄のにおい 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:610字 お気に入り:0人
あなたはドリアンという果物を知っていますか。ドリアンとは30cmほどの周りがとげとげした薄い緑色の果物です。面白いことにドリアンを飛行機には持ち込むことができ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:名探偵コナン お題:美しい軽犯罪 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:462字 お気に入り:0人
最近、学校帰りの道にある喫茶ポアロにイケメン店員がいると友達が耳元で騒いでうるさい。「ホントのホントにかっこいいの」と友達は鼻息を荒くして妄想モードに入る。まぁ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ギャグマンガ日和 お題:安全な妻 制限時間:4時間 読者:11 人 文字数:1068字 お気に入り:0人
この時代に生まれた事、心底呪っている。子供を増やせ増やせと。徳川の貴重な跡継ぎがどうとかこうとかと。腹が立つ。何なんだ。何も知らぬ癖して。別に私は好きでこの立場 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:愛と憎しみの螺旋 制限時間:30分 読者:11 人 文字数:1242字 お気に入り:0人
「私を内偵に行かせてください」関のデスクの前で、声を荒げた玲に捜査企画課の全員が振り返る。また無茶を、という視線。よくやるな、という視線。そういうものがあっても 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
flight ※未完
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:かたい笑顔 制限時間:30分 読者:13 人 文字数:996字 お気に入り:0人
もう何度目かのデートがお預けになって、さらには出張のおまけ付きと言えば、さすがに書類をぶん投げたくもなる。文句の言い過ぎでミサキちゃんにも呆れられた。「出張、で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ワールドトリガー お題:恋の行動 制限時間:4時間 読者:14 人 文字数:286字 お気に入り:0人
恋、とは。今まで興味もなく、まさか自分がするとは思っていなかった。それは数日前。本当に、ちょっとしたきっかけだった。幼馴染の千佳に、恋をする日が来ようとは。でも 〈続きを読む〉