ジャンル:あるじとしつじ お題:蓋然性のある嫉妬 制限時間:1時間 読者:35 人 文字数:1529字 お気に入り:1人

世界五分前仮説

「せかいごふんまえかせつー!!」

不意にあるじが叫んだ。
完全にひらがなの発音でしたが、今なんと仰いました?


「なぁモリオン知ってるか!?世界が五分前に出来たという仮説は、誰も否定できないんだ!」

ああ、なるほど。

「世界五分前仮説のことですね」

「だからそう言ってるだろ!僕たちはな、実は五分前に創られた存在で、僕たちが経験してきたと思うことは『みんな偽りの記憶だ』って仮説は、誰も否定できないんだ!何故ならそれも作られた記憶かもしれないから!」


興奮したように目をキラキラさせながら語る姿を見ながら、小さくため息が漏れます。

「…では偽りの記憶は誰が創るのです?」

「こーじげんてき存在のミエザルテによってだ!」


…さてはシオン様とリオン様の話を聞き齧りましたね?絶対意味を理解していないでしょう?そういう発音でした。わかりますよ…。

「…その高次元的存在はどうやって証明するんです?」


「それは…あれだ…!神さまだから…!いつも見てるんだ!たぶん!」


あ!だから神の見えざる手って言うのか!と叫ぶあるじ。

…一つでも気づきを得てくだされば、私も嬉しいです…。


「まったく、そんな見えないモノのことで頭を悩ませるなら、目の前にある宿題を片付けて貰えませんかね?」


「なんだと!?神さまをバカにするとバチが当たるぞ!」


「…別にバカにしているわけではないです…ただ、目の前にないモノは信じられないだけです。その高次元的存在とやらも」


肩をすかして黄色い頭を見下ろします。

「うーむ、どうしたら世界五分前仮説は証明できるんだろう…」

「考えても無駄ですよ…」

そんなモノいないのですから。だから早いとこ宿題を…と続けようとした時だった。

「モ、モリオン!!!」

パッと一瞬手が消えて、次の瞬間、手に軍手がついている…?

な!?


驚いて己の手を凝視すると、またパッと一瞬手が消えて、元の手に戻りました。

恐る恐る手袋を外して見ても、いつも通りの手があるだけです。

「わー!僕の髪がー!」

と、思えば今度はハイン様の髪がゆるふわパーマに!?

「なっ!?」

と思ったら私の髪がサラサラストレートに!?


「にゃ、にゃんだ!?口までなんか…うおー!!誕生日おめでとうー!角砂糖ー!ピザの斜塔ー!!」

ついに喋ることまで!?


わーわーと五分ほど2人で騒いでいると、またパタっと元に戻りました。

い、一体なんだったのでしょうか…?


「き…きっとモリオンがあまりにも信じないから、僕らを操る神さまが嫉妬して思い切り操ったんじゃないか…?」

絶対おばけじゃない…おばけじゃないからな!?と頭を隠すハイン様。


神の見えざる手…ですね。
でも何だかんだか面白くないですね。
机の下に潜ったハイン様を引っ張り上げて、埃を払う。

すると私の表情に気づいたハイン様がパッと顔を明るくした。

「なんだお前も嫉妬しているのか!?」

神さまに対して!?と。


「だってハイン様を自由に操れる上に、私のこの気持ちでさえも偽りなのでしょう?」

跪いてハイン様を見上げる。
眉が下がるのが自分でもわかった。

「…私のこれは蓋然性のある嫉妬ですからね」


そう言い捨ててから立ち上がる。
後ろでガイゼンセイってなんだー!?と叫ぶ声が聞こえます。

その可愛らしい声に少し笑いながら、偽りの世界でも、私はハイン様を敬愛していると確かに思う。

神の見えざる手が作った世界でも、事実は事実なのです。

それに世界を作った誰かを神さまと呼ぶのなら、私にとってそれはハイン様のことなのですから。

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