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秋の味覚狩りですよー!

「めっちゃ木が生えてますよー!」
「栗の木。ただの木なら神境にも生えてる…」
「はるるはこまかいですねー」

 きゃっきゃと巫女服の少女たちがはしゃいでいた。
一人は滝見春。屋外でも大切そうに黒糖の袋を抱えた少女。
もう一人は薄墨初見。巫女服を大胆なまでに着崩した少女。
彼女たちは霞深い霧島神境で神事に取り組む巫女である。

だがここは霧島神境とは異なる、ごくごく普通の山だった。
季節は秋。ほんのりと涼しげな風が吹く。
栗の木がそこかしこに生え、視線を下に向ければイガ栗がそこかしこに落ちているのが目に入る。

 ハイキングかな? 否、否である。
ハイキングはあくまで娯楽。
帰り道がわかっているからこそ、自然の中での身一つの探索を娯楽たらしめる。

「いやぁ、いつもと違う山を歩くのは楽しいですねー」

 では、帰り道がわからないハイキングのことをなんと呼ぶのか。

「遭難してさえなければ……」
「そうなんですよー! 遭難だけに! えへへ、なんていったりして!」
「……」


「はるるー! 置いていかないでほしいですよー! はるるー!」
「……」ポリポリポリポリ

然り! 遭難だ!!


  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


「あっという間に夕暮れですねぇ」
「どっちにいけば街へ降りられるのかわからない……」
「うーん……暗い中で山道を歩くのは危険でしょうし、今日は野宿ですかね」

 幸い食料には困りません、とイガ栗の殻を剥きながら初美はにっと笑う。
それに反して、春は浮かない顔だった。

「…野宿は困る……」
「? それは一体どういう理由で」

 春はぱさぱさ、と黒糖の袋をひっくり返して振ってみせる。
かけら一つ、粉末一ミリグラムすらこぼれ落ちなかった。

「あー……黒糖が切れてるから? 急いで帰らないと?」
「うん」
「……いや、そりゃ、私も早く帰らなきゃとは思いますが……でも夜の山道は危険ですよー?」
「それでも」
「……んー」

 困ったように、初見は人差し指で頬を掻いた。
いくらオカルトに特化した神境の巫女といえど、所詮はか弱い少女二人だ。
厳しい大自然の中、それも夜闇の中をあてもなく彷徨う? あまりにも危険すぎる。

しかし春のことだ、黒糖が切れたとなれば言っても聞かずに一人で行ってしまう可能性も。

「うーん」

 唸る。そして、何の気なしに手の中の栗に、試しに食べてみるとほんのり甘かった栗に視線を遣り――

「……閃きましたよー!」
「?」

 これだ、これしかない。春の黒糖切れを落ち着かせるにはこれしか。

「はるる。これはなんですか?」
「? …くり」
「そうです、栗ですねー。強いて言うなら甘栗ですねー」
「……それで?」
「甘栗といえば秋の味覚ですね。あまい。あまい……黒糖も甘い……」
「黒糖も確かに甘いけど」
「では! 甘栗で黒糖を作ればすっごいすてきな黒糖ができるのでは!!」
「!!!!」

 丸め込みだった。むちゃくちゃな理屈での丸め込みだった。
もちろん黒糖の原料は甘栗ではない。だが黒糖に飢えていた春を丸め込むにはそれで十分だった。


――もちろん黒糖はできなかったし、後日無事二人は救助された。

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