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【セコ窓】拠り所

何の前触れもなく彼女は此処にやって来た。
無言のまま入り口付近から周囲を見渡す素振りをしたあと、希薄ながら期待を抱いている面持ちに微笑ましさを感じるのもつかの間──彼女はどこから出したのか鈍く光る刃物を突き出し躊躇いなく……。

消えゆく意識の中、はじめて味わう痛みと感覚は彼女に対する印象を色濃く脳裏に焼き付けた。
後日、再び彼女が現れた。先日の腹部から伝わる強烈な痛みの幻が一瞬過る。しかし、彼女は何もせず周囲を観察しまわり、満足したのか立ち去って行った。一体何だったのか。浮かび上がる疑問はその後も彼女が訪れるに連れ強くなっていき、気付いた頃には彼女が此処に訪れることを心待ちにしていた。
相変わらず此方の反応を楽しみたいのかはたまた単なる暇つぶしなのか定かではないが頻繁に刺殺される。刃物を突き付けられ後退り壁に追い込まれるのも慣れていき、刺される瞬間の痛みや刺されたあとの体中に広がる熱く鈍い痛みは好きになれないが慣れてしまった。
ごくたまに彼女から一言二言話し掛けられるので返事を返す。彼女の言葉と此方が話す言葉に違いはあれど、不思議なことに何故か会話が成立した。最近は彼女の言葉を覚えようと、彼女から教えてもらうもこれが中々難しい。発声の仕方が違う所為か上手く発音できないのがとてももどかしい。

漸く彼女の名前を彼女の言葉で及第点ながらも発音できるようになった時だった。毎日、よくて一日空ける程度に来ていた彼女がパタリと来なくなった。二日、三日と日が経つにつれ胸の中に寂しさが募る。頻繁に入り口に彼女が来ていないか何度も振り返り彼女の影を探す。四日、五日と過ぎる日が増えれば増えるほどこの場から一旦消えれば彼女に会えるのではと根拠も確証もない妄想に駆られ何度も自身の体を傷つけた。だが、浅はかな願い叶わず遣る瀬無い痛みと傷、赤い染みが増えるだけで彼女は現れなかった。
六日、七日。沈んだ気持ちが浮かぶ暇もなく始めて此処に訪れた日のようにふらりと現れた彼女の小さな体に縋り抱きすくめた。殆ど咄嗟の動きに近い。腕の中にとらわれた彼女は煩わしそうに身をよじるも此方を跳ね返そうとはしなかった。

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