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人生は走馬灯のように

※ユーリの独白。ずっとユーリのターン。

僕は警察官みたいだ。
だってアカデミアやプロフェッサーに逆らう人達を次々にデュエルで、言葉でじわじわと追い詰め、最後は一枚のカードにして「逮捕」してしまう。
しかもこの行動は「正しいこと、アカデミアの戦士として当然のこと」として扱われ、僕は他の凡百の生徒達よりも遥かに、ずば抜けて優秀な優等生としての待遇を受けているんだ。今君が飲んでいる紅茶、いくらすると思う?

あ、そういえば僕がエクシーズ次元の人達もアカデミア関係者もカードにするから、次は自分かもしれないって怯えて、夜も眠れない生徒もいるって小耳に挟んだよ。
僕よりずっと年上の偉い人達も、僕が通りかかっただけでぶるぶる震えているんだ。可笑しくて堪らないよ!

まあ、僕がやっていることを「悪いこと」と非難する人もいたけど、この権利を与えてくれたのはアカデミアの最高権力者。誰もあの人には逆らえない。
だから僕はプロフェッサーから頂戴したこの「権利」を存分に活用させてもらう。

え?そう言うのを「職権乱用」って言うって?
君って外国から来た割りに日本語上手いよねぇ、デニス。

うん、自覚はあるよ。僕がプロフェッサーの「命令」を盾に取って好き放題していることもね。

だって、こうでもしなきゃ誰も僕とデュエルしてくれない。

もういい加減うんざりだったんだよ。毎日のようにシミュレーション・デュエルばっかりやらされて。
僕が何匹辛気くさい機械仕掛けの犬達を叩きのめしたと思う?
アイツらの行動はパターン化されているからね。退屈だった。
退屈すぎて本気のデッキじゃなく、売店でパックを十包みくらい買ってきてその即席デッキでデュエルしたこともあるよ。まあ勝ったけど。

そんなどん底の日々に、プロフェッサーは与えてくれたんだよ。
たくさんの人達とデュエルして良い権利を。
敗北者は僕の好きにして良い権利を。
そしてデュエルして、相手をカードにするだけで誉められる…サイコーじゃない!

こんな特権、余すとこなく存分に使わなきゃ勿体ないでしょ?
僕は今の状況が一番「生きている」って感じがするよ。

……エクシーズ次元の人達は「地獄」って呼んでいるらしいけどね。
そんなの僕には関係ないから。
デニス、紅茶が冷めてるよ。勿体ない。


――そんな会話をしていたことをふと思い出す。これが例の走馬灯って言うものなのかな。
遊矢に完全敗北した僕は、仰向けに倒れこんだままその時を待つ。
彼と一つになる、その時を。

僕のことを嫌っていた人は大勢いるだろうね、確実に。
その中で僕をカードにしてやりたいと思っていたのは何人くらいいたんだろうね。エクシーズ次元の奴等は全員そう考えていたかも。

……プロフェッサーやデニスは、僕のことをカードにしたいと思ったことはあるんだろうか。

もうどうでも良いか。どうせもうすぐ終わりが来る。
誰ともデュエルしてもらえず、家族も友達もいなかった独りぼっちの「ユーリ」のたった十四年の人生が終わる。

頭の中が霞んでいく。体が空気に溶けていくような不思議な感覚。
嫌じゃなかった。むしろその逆だった。

寝ても覚めても悪夢がずっと続くような、気持ち悪くて不快で、苛つきが止まらかった。こんな気持ちになるのはなぜなのか、ずっと答えを探していた。
色々な人達とデュエルし、カードにしながら。

答えはここにあった。
全力でデュエルをして、思いっきり敗北すること。それがこの苛つきを止める唯一の方法だったんだ。
ただし知らない誰かじゃ駄目。「分身」同士じゃなきゃ駄目だったんだね。

こんなに穏やかな気持ちになったのは、生まれて初めて。

――今、この死にかけの瞬間が、今までの下らない人生の中で一番幸せ。

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