ジャンル:遊戯王ARC-V お題:2つの風 制限時間:1時間 読者:136 人 文字数:1368字 お気に入り:0人

風と共に生きる

リンの独白。過去の捏造設定あり。冬はシンクロ次元の季節。


私の周りにはいつも風が吹き抜けている。

一つは汚れのない白を基調にした、シティの全てのデュエリストの頂点に立つ「王」をリスペクトしたようなDホイールを乗りこなす彼。
最初はDホイールを作りたいって拙い絵で画用紙いっぱいに描いた「夢」だったのに、本当に実現させちゃった。

Dホイールの乗り方だってそう。コモンズに教習所なんてないから全部独学で、わからない所は色々な先輩Dホイーラーに聞きながら手探りでドライブテクニックを学ぶ日々。最初は上手く乗りこなせずに派手にクラッシュさせてはあちこちに擦り傷作ってボロボロになっていたのに。
今じゃそんなことはなかったなんて顔で飄々と風をまとわせ、道ある所をどこまでも駆け抜けていく。彼が乗るDホイールのモデルにもなっているかもしれない、シティのイルミネーションのように煌めく翼を持つドラゴンを従えながら。

そんな彼の姿を見るのがここ最近の私の楽しみの一つ。別に異性として好きという訳じゃなくて、ちっちゃい頃から突っ走りがちで変な所で冷めている、そんなユーゴがなんとなくほっとけないだけ。そう、それだけ。

もう一つは雪を舞散らせながらいつもイタズラっぽく私に微笑む、生まれたときから隣にいてくれた風と雪の魔女達。
親も家もない私の数少ない持ち物はこの繊細な細工の銀に輝くブレスレット、そして「W・W」をテーマとした立派なデッキ。どうしてただの身寄りのない子供がこんな不釣り合いなものを持っていたか…なんて聞かれたけど、自分自身でもわからない。

そのことで施設の子達からは色々と言われた事もある。トップスの子供から盗んだだの、小さな女の子が好きな特殊な趣味の人におねだりして買ってもらっただの…好き勝手言われた記憶がある。
一番酷かったのは、妬まれて「W・W」を全部盗まれた事。少し目を離した瞬間、大切なデッキが丸ごと煙のように消えていたときのあの恐ろしさは、今思い出しただけでも体の芯から冷たくなる。

相手にとって不幸だったのは、私はやられたらそのまま黙っているほどか弱くはないということを知らなかったこと。大方の犯人は予想がついていたから問い詰めて「ちょっとだけ」痛めつけたらすぐに返してくれた。
それでも売られたりしていないか、傷がついていたり折れたりしていないか確認し終わるまでは生きた心地がしなかった。もしも彼女達が無事じゃなかったら、私は一生をかけても犯人を許さなかっただろう。

「W・W」の皆が無事だとわかった瞬間、安心からか私はボロボロと泣き出したのはよく覚えている。
そしてそんな私の様子を一部始終見ていたユーゴが「リンを泣かしたのは誰だ!お前か!?」と目についた子を片っ端からボコボコに殴っていって止めるのに必死だったことも。

いつか彼女達と共にシティの空を私自身のDホイールで走り抜けたい。冬を呼び込む風のように、一面を白く覆う雪の様に。鈴の音を高らかに鳴り響かせながら。
私を支え続け守り守られてきた、母のような、姉のような彼女達の為にも、そして私自身の為にも。

二陣の風と共に、私は今日も不平等でいびつだけど空だけは誰にでも等しく美しい、このシティで生きていく。
「W・W」の使い手、リンとして。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:あいつと息子 制限時間:1時間 読者:82 人 文字数:1309字 お気に入り:0人
※ユーリ視点。統合後。僕は物心ついたときからずっとひとりだった。僕の周りにいたのはプロフェッサー、そしてデュエルの相手と言う名目の「生け贄」。なんであいつらには 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:春の誰か 制限時間:1時間 読者:157 人 文字数:1036字 お気に入り:0人
遊矢は皺一つない制服に腕を通す。まだピンと張りの強いそれは今日から中学生としての生活が始まる象徴だ。鏡で自分の姿を確認する。これからまだまだ背が高くなるのだから 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:犬の団欒 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:419字 お気に入り:0人
※遊矢とアン。「アン、おいで」鼻を鳴らしつつ遊矢にすり寄るアン。遊矢は生え替わりの時期を終えたばかりの硬い毛並みを撫でる。ちょっとちくちくするな、そう苦笑しつつ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:アブノーマルなダンジョン 制限時間:30分 読者:32 人 文字数:2344字 お気に入り:0人
※隼←ユト、かつ隼→ユト。両片思い。最初は、あの人の笑顔を見れるだけで心が暖かいもので満たされた。名前を呼ばれ一言二言でも言葉を交わせれば、一日中幸せな気分で過 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:穢されたいたずら 制限時間:30分 読者:34 人 文字数:1051字 お気に入り:0人
穢されたのは隼→ユト。R15程度心地よい気だるさに包まれ、隼は意識を覚醒させていく。糊がきいていたはずの自室のベッドシーツはすっかり乱れ皺だらけになってしまった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:同性愛の失敗 制限時間:15分 読者:37 人 文字数:445字 お気に入り:0人
※隼→ユトの失恋もの注意。「お前が好きだ」言ってしまった。とうとう告白してしまった。自分自身でもなぜこんなことを言ってしまったのかわからない。ただ、隣で歩く彼を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:1000の瞳 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:488字 お気に入り:0人
※ユーリの過去。夢の話。人間達の瞳が向けられる。怒りに、悲しみに、戸惑いに満ちた数えきれないほどの感情の矛先をそのまま映し出して。やめて、お願いだからそんな目で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:あいつの過ち 制限時間:30分 読者:53 人 文字数:924字 お気に入り:0人
過ちはいつからはじまったのだろうか。ひょっとしたら初めて出会った時からすでに一歩踏み外していたのかもしれない。――ありえない。同じ男、しかも妹が心寄せているとわ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:薄汚いパソコン 制限時間:15分 読者:37 人 文字数:443字 お気に入り:0人
※ユーゴとリン。過去話。ユーゴがDホイールの調整に使うパソコンは、彼とリンが一から作り上げたものだ。モニターやキーワードは闇市で購入、細かい部品は少しずつ貯めて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:破天荒な女祭り! 制限時間:30分 読者:40 人 文字数:907字 お気に入り:0人
※柚子と文化祭。統合後。ここは舞網第二中学校。多くの学生が勉学にスポーツに励み、同年齢の少年少女達と交流を深める特別な場所。しかし今日はいつもと少し…いや、かな 〈続きを読む〉

伊菜メイ子の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:僕と宴 制限時間:1時間 読者:37 人 文字数:1857字 お気に入り:0人
※「泣くことも、笑うことも」の続編。ゆりゆと気味。統合後。殺伐。僕は楽しそうに笑っている人が好き。だって、楽しそうにしてるほどその後デュエルでぐちゃぐちゃに敗北 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:愛と欲望の笑顔 制限時間:30分 読者:57 人 文字数:1215字 お気に入り:0人
※ユートとユーリ。統合後。暗め。「君は笑うのが下手くそだねぇ、ユート」ふと、ユーリに顔を覗きこまれそのまま鼻で嗤われた。手をそっと頬に沿わせる。どこか強張ったよ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:どこかの朝日 制限時間:1時間 読者:51 人 文字数:1927字 お気に入り:0人
※ユーリとデニスと朝。過去話。カーテンが風に吹かれ静かに揺らめき、汚れのない朝の光が少年の顔を照らす。丁寧に作り込まれた人形のように整った顔、微かに揺れる睫毛は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:大人の私 制限時間:1時間 読者:60 人 文字数:1502字 お気に入り:0人
※柚子と遊矢と思春期。大人になるってなんだろう。男子は外でサッカーをしている時、私達女子は黒いカーテンで閉めきられた視聴覚室にこっそり集合していた。そこでいつも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:何かの深夜 制限時間:1時間 読者:58 人 文字数:1766字 お気に入り:0人
※リンと瑠璃と夜明け前の話。統合後「あー……もう、変な時間に起きちゃった」まだ夜も明けない時間、リンは前触れもなく目覚めた。手元の置いてある時計に手を伸ばし確認 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:反逆の夏 制限時間:1時間 読者:64 人 文字数:1690字 お気に入り:0人
※統合後の遊矢と夏とプールの話。「暑い……あつい、あ゛つ゛い゛」時は八月上旬、夏真っ盛りである。ここ最近の異常気象のせいもあり、常にコンクリートの道には陽炎が上 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:腐った広告 制限時間:1時間 読者:131 人 文字数:1594字 お気に入り:0人
※シンクロ次元。リン視点。暗い。ゴミがそこらに散らかっている掃き溜めの街、そしてゴミと同じくらいの存在価値しか与えられなかった私達に住むことを許された故郷、コモ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:君と姉妹 制限時間:1時間 読者:108 人 文字数:1609字 お気に入り:0人
※統合しなかったIF。同じ顔がこの世に二人、いつ見ても不思議な光景だ。もっとも自分も例外ではないが、と俺は瑠璃とシンクロ次元からこっちに遊びに来た少女…リンを見 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:疲れた大雪 制限時間:1時間 読者:122 人 文字数:1421字 お気に入り:0人
※ユーゴとリンと雪かきの話「ユーゴ、いつまでも寝てないで起きなさい!」「なんだよぉリン……まだこんな時間じゃねぇか」そう言い寝ぼけ眼でユーゴは時計を見る。日付が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:苦し紛れの天井 制限時間:1時間 読者:156 人 文字数:1496字 お気に入り:0人
※エクシーズ次元の平和な話。ユト瑠璃。ユートは今、人生で最大のピンチに陥っていた。瑠璃と二人きりで会っていたことが親友であり、彼女の兄の隼にバレてしまったからだ 〈続きを読む〉