ジャンル:遊戯王ARC-V お題:黒尽くめの殺人 制限時間:1時間 読者:39 人 文字数:1432字 お気に入り:0人

一蓮托生



※エクシーズ次元過去話。ユート視点。

ハートランド……いや、俺達エクシーズ次元の住民は一方的な蹂躙を受けていた。
来る日も来る日も、雨も録に凌げない建物の残骸に身を寄せ、飢えを少しでも和らげるために乾ききった味気ない非常食を腹に納め、満足に飲めない水でひりつく喉の乾きを癒し、夜の到来に怯えた。
街灯も全く機能せず、目の前の状況が十分に把握することができない状況は「狩り」にうってつけだ。
家にある大切なデッキをどうしても取りに行きたいんだ、そういって闇の中飛び出していったレジスタンスのメンバーの一人はその日から姿を見かけていない。
夢を見ることなく眠りにつき、安心して朝を迎えられたのはいつが最後だったか忘れてしまった。

「限界だ」
隼がぼそりと、無表情のままそう吐き捨てるように呟く。
「いつまで俺達は一方的に狩られる立場でなければならない」
その整った横顔はたった数ヶ月で何十年も年老いてしまったかのような、生きることに対しての疲れが滲んでいた。

瑠璃が行方不明になった悪夢のような日から、隼の笑顔を見ていない。
深く沈んでいるかと思えば、突然爆発したように叫び回りの物を殴り付け、運が悪ければ近くにいた人間が犠牲になる。
人によっては威圧的に見えるが実は優しさを覗かせる、俺も瑠璃も好きだったあの金色の瞳が……今ではギラギラと「敵」に対する憎悪と妹を守れなかった自己嫌悪で妖しく輝き続けていた。
そんな隼を見るのが辛く、ほんの少し彼から距離を置き別の仲間と行動をともにしていた期間がある。

だから気づけなかった。その時隼がおぞましいことに手を染めていたなんて。


――ユート、隼がヤバいんだ……お願いだ、止めてくれ!

隼と別行動をとりしばらくしたある日、レジスタンスのメンバーの一人から泣きながら懇願された。隼の嵐のように加速していく感情についていけず俺のように別行動を始めるメンバーが多い中、彼は辛抱強く隼に従って行動していた数少ない人間だった。

「なにかあったのか!?まさかアカデミアに……」
「違う、違うんだよユート、実は……」
その言葉の続きを聞いていく内に、俺は顔から血の気が引いていくのをハッキリと感じていた。

久々に見る隼は、俺のよく知る彼ではなかった。
そこには故郷も自分の夢も、そして大切な存在も全て奪われ踏みにじられ、あらゆる負の感情が頭の天辺から足の先まで一杯になった「復讐者」が立っていた。

「……ユート」
俺に気づいた隼はニヤリと笑いかけてきた。こんなおぞましい笑い方をする彼は見たことがない。
「やったぞ……ついにやり返してやった!もうこれで誰も奴らに怯えることはない!ユート、お前もだ!!」
手には一枚のカードが握られている。
今にも叫び声が聞こえてきそうな、アカデミアの少年の怯え顔が一杯に写し出されたカードを。

アカデミアの下っ端の一人からあらゆる手段をもって詳細を聞き出し奪った「人間をカードにする技術」を、隼は実践した。
目の前の同じ年頃の少年達によって肉体的にも精神的にもボロボロになり、レジスタンスに……とりわけ隼に怯えきっていたアカデミアの少年に対して。

それが隼の最初の復讐、そして「殺人」だった。

「隼」
「どうしたんだ、ユート?」
「お前だけに罪を背負わせる訳にはいかない……俺も一緒だ」

俺は隼から件のデュエルディスクを奪い取り、相手を探す。
俺の初めての「殺人」相手を。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:あいつと息子 制限時間:1時間 読者:8 人 文字数:1309字 お気に入り:0人
※ユーリ視点。統合後。僕は物心ついたときからずっとひとりだった。僕の周りにいたのはプロフェッサー、そしてデュエルの相手と言う名目の「生け贄」。なんであいつらには 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:春の誰か 制限時間:1時間 読者:46 人 文字数:1036字 お気に入り:0人
遊矢は皺一つない制服に腕を通す。まだピンと張りの強いそれは今日から中学生としての生活が始まる象徴だ。鏡で自分の姿を確認する。これからまだまだ背が高くなるのだから 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:フハハハハ!それは国 制限時間:30分 読者:42 人 文字数:770字 お気に入り:0人
※ユーゴ視点。統合後の話。一人の人間の中。それは一つの国のようでもあった。「すごいよこれ、ちょっとこれ見てよユーゴ」そう言いユーリは俺の前に一つの植木鉢を差し出 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:不知火すばる ジャンル:遊戯王ARC-V お題:ドイツ式の秋雨 制限時間:15分 読者:346 人 文字数:368字 お気に入り:0人
秋雨ガン無視です クロウとかにすればよかったか「パパがお土産に買ってきたんだが、俺様が出向いてやってんだ、当然食うよな?」珍しい来客は開口一番そう言った。横柄な 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:不知火すばる ジャンル:遊戯王ARC-V お題:スポーツの夏 制限時間:30分 読者:392 人 文字数:1221字 お気に入り:0人
※遊矢がユートとユーゴ統合済み。S次元から帰還してつかの間のバカンス、というイメージ。俺にとっての、というかこのスタンダード次元での一番のスポーツは、言うまでも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:空前絶後の失望 制限時間:15分 読者:474 人 文字数:1057字 お気に入り:0人
「待って、待って……!」 ごう、と耳元を風が過ぎていく。目も開けていられないような強風が顔を打つ。そんな中、翠色のを持つ少女がひとり、先を行く少年の背を追いかけ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:花茨ライ ジャンル:遊戯王ARC-V お題:たった一つのハゲ 制限時間:15分 読者:356 人 文字数:990字 お気に入り:0人
「……」「何をしている」「いやー、これはちょっと可哀想かなと思って」 そう言って沢渡が示したのは一羽のヒナだった。零児は今気づいたとばかりに視線を向けると、まだ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:不知火すばる ジャンル:遊戯王ARC-V お題:真実の笑い声 制限時間:30分 読者:665 人 文字数:1240字 お気に入り:0人
納得した頃にはもう彼は跡形もないほどに侵食されていて、騙されたことに対する怒りなどは特段湧いてくる気配がなかった。そんな些細なこと、興味がなかった。それに赤馬零 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:花茨ライ ジャンル:遊戯王ARC-V お題:かっこ悪いつるつる 制限時間:15分 読者:563 人 文字数:1067字 お気に入り:0人
「うわっ!?」 どさっ、と重量感のある音と共に、廊下でしりもちをついたのは遊矢である。音に振り向いた赤馬は、その惨状を見て顔をしかめた。「君は何をしているんだ? 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:花茨ライ ジャンル:遊戯王ARC-V お題:俺の流刑地 制限時間:15分 読者:483 人 文字数:1306字 お気に入り:0人
「あんたが何を考えてるのかは分からないけど、異次元に行くんでしょ?」「そうだ」「あんたも一緒に行くの?」「ああ」「一緒に戦う?」「そうなる」「そっか」 端末を操 〈続きを読む〉

伊菜メイ子の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:苦し紛れの天井 制限時間:1時間 読者:32 人 文字数:1496字 お気に入り:0人
※エクシーズ次元の平和な話。ユト瑠璃。ユートは今、人生で最大のピンチに陥っていた。瑠璃と二人きりで会っていたことが親友であり、彼女の兄の隼にバレてしまったからだ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:大人のもこもこ 制限時間:1時間 読者:31 人 文字数:1250字 お気に入り:0人
彼女はふわふわもこもこ※最終回から数年後の誰かと誰かの話。彼女はふわふわもこもことしたものが大好きだ。冬と言えば、もこもことした暖かいものが機能面でもビジュアル 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:大好きな蕎麦 制限時間:1時間 読者:24 人 文字数:1534字 お気に入り:0人
遊矢は普段、蕎麦は食べない。自身の希望でパンケーキを朝食のメインにしたり、米飯に味噌汁、焼き魚にお浸しなどのお米の国に生まれたならばこれだろうと言わんばかりのコ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:黒尽くめの殺人 制限時間:1時間 読者:39 人 文字数:1432字 お気に入り:0人
※エクシーズ次元過去話。ユート視点。ハートランド……いや、俺達エクシーズ次元の住民は一方的な蹂躙を受けていた。来る日も来る日も、雨も録に凌げない建物の残骸に身を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:2つの風 制限時間:1時間 読者:46 人 文字数:1368字 お気に入り:0人
リンの独白。過去の捏造設定あり。冬はシンクロ次元の季節。私の周りにはいつも風が吹き抜けている。一つは汚れのない白を基調にした、シティの全てのデュエリストの頂点に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:死にかけの警察官 制限時間:1時間 読者:44 人 文字数:1563字 お気に入り:0人
※ユーリの独白。ずっとユーリのターン。僕は警察官みたいだ。だってアカデミアやプロフェッサーに逆らう人達を次々にデュエルで、言葉でじわじわと追い詰め、最後は一枚の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:情熱的な母 制限時間:1時間 読者:36 人 文字数:1603字 お気に入り:0人
※洋子さん視点。スタンダード次元過去話。遊矢の母、榊洋子は昔からエネルギッシュな女性だった。「舞網クイーンズ」の総長として夜を駆け抜け、ふとした切っ掛けで謎めい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:絵描きの雑草 制限時間:1時間 読者:43 人 文字数:1656字 お気に入り:0人
※現パロ次元再び。「榊家の男子の秘密」の続編。榊ユーゴは世にも稀な四つ子の次男として生まれ、ごく普通の中学二年生としての生活を送っていた。彼には他の兄弟達に秘密 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:男同士の勇者 制限時間:1時間 読者:39 人 文字数:1380字 お気に入り:0人
※統合後の世界。遊矢とユーゴがゲームやりながらだべっている話。久々に引っ張り出した据え置きゲーム機を中古ショップに売ってしまおうか遊矢が考え込んでいた所、ユーゴ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:伊菜メイ子 ジャンル:遊戯王ARC-V お題:去年の排泄 制限時間:1時間 読者:53 人 文字数:1438字 お気に入り:0人
※年明けと遊矢の話。一月一日。元旦。遊矢はリビングに置かれたコタツの中で目を覚ました。毎年恒例の歌番組を見終わった後の記憶がないことから、すぐに寝入ってしまった 〈続きを読む〉