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チャリでニジュップン、クルマでジュップン

 バイク、いいよなあ。太刀川さんは三年も前のバイク雑誌をめくりながらそう呟いた。ラーメン屋の、手垢がついた雑誌は角もすこし丸くて、ちょっと表紙が日焼けしている。
「ふーん」
「ふーん、てお前」
「忍田さんも乗ってるから?」
「それもあるけどカッコいーじゃん」
「うっわ頭悪そう」
「うっせ」
「車は?」
「大型取るからどうせ通る道だろ」
「試験受かるの?」
「受かんねーと取れねーだろ」
「そうだけどさ」
「堤がさー、不破さんの伝手で車安く譲ってもらったって言うんだよ」
 一つ年上の、太刀川さんに大学のノートを貸してばかりいる大仏みたいな顔の人のことを思い出した。でもあの人、と頷く。
「隊で仲良しだし、車あると便利じゃん」
「お前は?」
「免許くらい取っておこうかなって、取ったけどさ」
「ペーパー?」
「いや、駐車場借りて一応あるにはあるよ」
「もっと使えよ」
「えー、でもさ」
「今度どっか乗せてって」
 車の免許は取った。取った方が便利だと思ったから――いや、陽太郎がいるからと、林藤さんがミニバンを買って誇らしげにしていたから。俺は父親なんて分かんないけど、ああいう人のことを言うんだろうって思うし、車を買ってみたら……この「たられば」がもう少し変わるのかもしれないと期待して――そして見事に期待を裏切られた。あんなもの、日常になってしまえば何のことはない。道は変わらないし、市内に何店舗かあったコンビニも一つ閉店して撤退するし。自転車で二十分かけて行っていたラーメン屋も、車で十分の距離に変わっただけだった。
「どっかって、どこだよ」
「えー、どこだろ、海とか?」
「何で疑問形なの、ていうか太刀川さんがバイクの免許取ればいいじゃん」
「だってバイクもまだ手元にねーもん」
「じゃあ、乗せてってあげるから行きたいところ考えててよ」
「俺がバイクの免許取ったら、お前も後ろ乗せてやるよ」
「行きたいところ考えとく」
 ラーメン屋でいいかなあ、ここじゃなくて、もうちょっと足を伸ばしてさ。席を立って近場のラーメン店を紹介する雑誌を手に戻った。湯気の立つどんぶりの向こうで、太刀川さんはバイクの雑誌を閉じている。
「何、お前ラーメン屋行きたいの?」
「出かけた先で全然違う店行くの楽しいかなって」
「あー、バイクで出かけると寒いって言うしな」
 寒くなるほど遠くに出かけるつもりなのか。まあいいんだけど。開いた雑誌に地図が載っていて、これは現実で、このラーメンの雑誌は今年刊行されたばかりだった。湯気が目に染みて、目頭が熱い。どこでも行けるし、どこに行ってもいいんだって話を、太刀川さんは当たり前に、当然だと信じていて、俺は悲鳴になりそうな言葉を飲み込むためにラーメンに取り掛かった。全然これは深刻な話じゃない。免許取ったら、ラーメンを食べに行こうって話だ。

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