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歓喜

 バレンタインデー、なるものがあるらしい。それは、恋人や家族、友だちやお世話になった人に感謝の気持ちを込めて贈り物をする日らしい。という知識を本丸のテレビから仕入れた御手杵は、さっそく万屋で審神者に菓子を購入した。何の変哲もない、ちょっと着飾られたちょこれえとなる甘味だ。テレビでもチョコレートを男が女に渡していたし、これで合っているだろう。

 審神者にそれを渡すと、彼女は戸惑いながらも受け取った。「あ…ありがとうございます」手のひらにちょこんと乗った小さな箱を見て、もしかして大きいほうがよかったかもしれないと御手杵は思った。

「でも、どうして急に」
「バレンタインデー、ってやつなんだろ?」
「えっ…よくご存知ですね、どこでその知識を…」
「テレビでやってた」
「ああ…えっ…その、これを、その私に渡すっていうのは、どういう」
「? 世話になってるやつとか、感謝を示したいやつとかに渡すって言ってたけど…俺、もしかしてなんか間違ってた?」
「あっ…ああー、なるほど、あはは、大丈夫です。そういうことだったんですね、びっくりしました」
「?」

 審神者にとってのバレンタインデーは少し解釈が違うのだろうか。彼女は安心したようで、それでいてどこかさびしそうにも見えるあいまいな笑顔でチョコレートを大事そうに胸のあたりで抱えた。

「ほかの皆さんにも?」
「いや、あんただけだ」

 そういえば、日頃世話になってる相手にあげるのに、主のことしか気にしてなかったな。そう思いながら御手杵が事実を口にすると審神者は目を逸らして唇をひきつらせた。妙に顔が赤い。審神者の変な顔色に、もしかして気味悪がられただろうかと不安になった。

「あんまりからかわないで…くださいね」
「いやからかってはないけど…」
「…ありがとう…ございます…」

 審神者は、手にした箱をうやうやしく空中に掲げて歩き出した。両腕を前に突き出して、手のひらで箱を包んで慎重に歩いていく。その奇妙な動きに御手杵が首を傾げていると、執務室の前に辿り着いた審神者は。それを一度地面に置き、その箱をまたがないよう衣服がひらりとでもその箱に触れないよう、視線を釘付けにしながらふすまの向こうに足を入れた。箱のみになった空間に、やがて白く細い腕がにゅっと伸び、恐る恐る指先で触れて、やがて手にして、ふすまの中へ引きいれた。

 それはまるで一種の舞踊のようで、その奇妙な振り付けに御手杵は思わず噴き出した。

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