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さよならだけが運命だ

拝啓、お元気でしょうか。

この手紙を読む頃、貴方はどうしているでしょうか。この手紙を受け取ってしまったということは、つまり、私はもう生きてはいないということでしょう。カルデア発、カルデア着、私宛の手紙を出すのは、もう三十六回目になりますが、もし私が今度も生き残っていたとしたら、この手紙は読まれず、まだゴミ箱に入れられていると思うので、つまり、私が受け取らなかったということになるのでしょう。
私が居なくなったそこは、どうでしょうか。
今まで通りに電気が通い、灯がともり、人類滅亡の憂いを払拭すべく戦っているのでしょうか。
私が居なくなったことで、それが難しくなっていたら、ごめんなさい。

この手紙は、最後のマスターである私が、未来の私に宛てて出した手紙です。サーヴァントの誰にも、読まないようにいいつけてあります。でも、もし、これを貴女が読んでいるのだとしたら、つまり、そういうことなのです。
此の世に剪定される世界があると聞いた時は、なんだそれはと思いました。私とは、なんの関係もないと思いました。でも、いざ、自分がその岐路に立ってみると、案外気持ちが変わるものです。右を選べば、世界は残るのでしょうか?左を選べば、世界が滅ぶのでしょうか。その選択を、何故、私に委ねてしまったのでしょうか。
私が死んだら、この世界は、いらなかった世界、という烙印を押されることになります。私はそれが嫌でした。私は、私が会ってきたすべてのひとびとの人生を、いらなかったものにしたくありませんでした。だから、痛いのも苦しいのも寂しいのも寒いのも熱いのも我慢します。私は、マスターという生き物になったのですから。
新しいレイシフトは、明日の朝です。私が、また、誰かの世界を踏み越えて生きられますように。

最後に、この手紙の表には、遺書、と記しておきます。貴女がこれを読まないことを、私は願います。最後の後輩、マシュ・キリエライトへ。

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