ジャンル:DD! お題:混沌の町 制限時間:30分 読者:15 人 文字数:873字 お気に入り:0人

夕方のバーでの一幕 ※未完

 窓から見えるふたつの太陽が沈んでいき、夕日の赤色に夜の色が混じり始める時間帯。インクを幾つも混ぜ込んだような複雑な色合いの空が、存外に好きだった。
「お客さん、来ないね」
「あー、そうだなぁ」
 家へと向かう人々のざわめきが聞こえるような時間だ。けれど、路地の奥にあるこの店にはそんな人々の営みも聞こえない。とても静かなものだ。朝からひとりも客が来ていない所為もあるだろうが。
「デリックさんって、赤色が好きなの?」
「へ? いや……どちらかと言うと、緑の方が……いやでも水色なんかも好きだな最近は」
「そうなんだ。眼鏡、赤い縁のものに変えたって聞いたから。好きなのかと思ってたんだよ」
「色に対する思い入れはあんまりないな、俺は。そういうミラはどうなんだ?」
「私? ううーん、そうだなぁ……」
 会話だけが響く静かな店内で、暮れる夕日を見送る。もう大分夜の色が濃くなってきて、空のグラデーションは紫から紺色に近い色合いだった。丁度、隣に立つ彼の目によく似た色だ。
「紫色、かな」
「へえーそうなのか。ミラもキリルも紫の髪色だもんなぁ」
「うん。でも、もっと深い色の紫も好きだよ」
 あなたの目の色が、その紫に映る物を眺め見るのが、実は結構好きなんだよ。そんな台詞は胸の内に仕舞いこみ、穏やかさだけを享受した。
「紫、紫かぁ……アメジスト、とかか……?」
「うん? 何が?」
「あ、いや、なんでもない。うん。しっかし、確かに暇だなぁ! 何か作るか?」
「今はお腹空いてないからいいよ。デリックさんは?」
「俺もそんなには……」
 もうしばらく経てば、仕事帰りのキリル達が来店するかもしれない。はたまた、夜になっても誰も来ない可能性だってある。店仕舞いするにはまだ早いこの手持ち無沙汰な時間が、彼はどこか居心地悪さを感じているのだろうか。この静かな時間も、自分は好きなのだけれど。
「そう言えば、昔ね。ちょっと時間が出来た時にキリルとよく遊んだんだ」
「へえー、どんな遊びだ?」
「どっちが長く目を開けていられるかゲーム」
「…………は?」

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