ジャンル:Free! お題:天才の交わり 必須要素:3000字以上 制限時間:30分 読者:14 人 文字数:1606字 お気に入り:0人
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遙凛 天才の恋 ※必須要素クリアならず

天才だった。確かに、天才だった。
水を切り、その間に身体を滑り込ませる。そこまでこだわっているわけじゃないのに、身体の肉つきも完璧で、水への執着心だけでここまでできる。
単純に、羨ましい。水よりも、水泳への、夢を果たせなかった父への執着で、誰よりも何よりも努力してきた俺より上か、同じ。
その才能が羨ましかったし、妬んでいた。きっと、ハルへのこじらせた思いはここから来ているのだろう。
でもハルと泳ぐのは、ハル達と肩を抱き合って笑うのは好きだった。憧れていた。だから、それが叶って嬉しかった。
要は、複雑なのだ。
複雑すぎて、すぐに返事ができなかったのだ。
だって、二人とも珍しく部活がなかったので待ち合わせをして、間に合わせ場所のコンビニでアイスキャンディを買って、こんな暑い昼に遊ぶ子供など一人もいない公園で、ベンチに腰掛けてアイスキャンディを食っていて。
そんなときにいきなり、明日の天気のことでも話すように平然と
「凛、好きだ」
なんて言われたのだ。
あやうく、アイスキャンディを落とすところだった。300円する高めのアイスだ、落とすなんて冗談じゃない。
でも、それだけじゃ表せないほど俺は驚いて、戸惑って、動揺したのだ。
「……今、なんつった?」
「凛、好きだ」
「……は?」
「好きだ、凛」
「いや倒置法つかっても同じだろ。……え、俺のことが好き……って?」
「ああ」
「……いつから」
「結構前だ。もしかしたらSCのときからかもしれない」
マジで?と訊こうかと思ったが、流石にしつこいのでやめた。
は?俺が好き?ハルが?結婚相手=海みたいな、少しズレてる天才のハルが?
いやいやそんなことより俺、男だし。もしかしてハルって実は女……いや、俺もハルも名前が女みてえだから錯乱して……いやそれはそれでやばいけど……って、ああ、なんなんだよ!?
「……で」
「へ?」
「返事はどうなんだ」
「……え、あ、返事……?」
即答しろと。この場で?なにこいつ鬼畜かよ。
「……Yesの方がいい……よな?」
「ああ」
「……Noって言ったら?」
「泣く」
泣くのかよ!?
さっきから振り回されている。そら遠慮なく、ぶんぶん振り回されている。
嫌いじゃない。でも好きかと問われるとわからない。そんな対象としてハルを見たことがなかったのだ。
どうしよう……どうすりゃいいんだ?
「迷っているならとりあえずYesと答えてくれ」
「とりあえずって、そんな簡単なもんじゃねえだろ」
「簡単に考えてくれていい。簡単にYesと答えて、簡単に別れてくれていい」
「ばか、ハルてめ……」
「そのくらい、何をしてもお前がほしい」
初めて、ハルの目を見た。
オーストラリアの海みたいな、澄んだ綺麗な青色の瞳が、輝きながらまっすぐ俺をみつめていた。
水を見ているときの、ハルの目。
俺、ハルにとって、水くらい好かれてんのか。そのぐらい、執着されてるのか。
水がライバルって少しおかしいが、それでも、嬉しかった。
だから俺も真っ直ぐハルの瞳をみつめた。ハルと対象的な紅い瞳。この瞳、ハルに見えてる?
「……俺も、ハルと一緒にいたい」
「答えはYesかNoだ」
「はぁ!?」
「さっきそう言った」
「冗談だろ!?」
「真面目だ」
そうだコイツ、天然だったわ。天然の天才。
溜め息をついて、とけかけていた自分のアイスキャンディを食い尽くす。そして立ち上がり、きょとんとしているハルのアイスをぺろっと舐めた。
「I Love you」
「……発音いいな」
「ばか」
顔が熱い。少し微笑むハルにくるりと背を向けて、公園を出ようとする。
「凛」
「あ?」
「お前は天才だな」
「なんのだよ」
てか天才はお前だろ。一体どんな天然皮肉が飛び出すのか構えていると、ハルはにこりと笑って爽やかに言った。

「俺を夢中にさせる天才だ」

やっぱりこいつやばい。

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