ジャンル:刀剣乱舞 刀さに 女審神者 お題:人妻の妹 制限時間:30分 読者:22 人 文字数:641字 お気に入り:0人

家族という名の幸せ

「のう、主には妹やんはおったがか?」
某本丸の離れで、ちゃぶ台を挟んで顔を書類仕事をしていると陸奥が唐突にそう問いかけてきました。
「いなかったわ。私は一人っ子だったからね」
何の気なしにそう答えましたが陸奥はそれに何を見出したのでしょうか、少し悲しそうに眉を下げました。
「寂しくなかったが?」
心配してくれているようです。陸奥のこういった心遣いには時折胸が温かくなります。だからこそ安心させてあげなければと思いました。筆を置いた私は陸奥をまっすぐ見つめました。
「両親は私を愛してくれたし、私はすぐに嫁に行って家族もいて幸せだったから寂しいと思ったことはなかったかな」
ずうっと昔のことですが今でもよく覚えています。目を閉じればまるで昨日のことのように思い出すのです。
…今思えばあまりにも幸せで有頂天になっていたのかもしれません、あの頃の私は。
寂しくなかったか、という問いには「いいえ」と答えられるのに「今は」寂しいか、と聞かれたらその答えは「いいえ」ではないことに何だか嘘をついているようで申し訳なくなります。
と、不意に頭を撫でられます。顔を上げると陸奥が優しく微笑んでいます。
「今はわしらがおるきに」
…陸奥は時々こんな風に他人の心の機微を正確に読み取ることがあります。少し驚かされもしますし、少しこそばゆい気もします。ですが、私は彼のこの温かさは嫌いではありません。だから私はただただ微笑んでこう言うばかりです。
「ありがとう」
この言葉にありあまる思いを乗せて。

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