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死刑囚との約束



事態を理解できぬまま、鮫島は上部を見上げた。
空が丸く切り抜かれたようだった。
手を伸ばしてもジャンプをしても半分にも到達できないだろう、深い深い穴に鮫島は落ちていた。
壁を上ろうにも土は湿気っていてボロボロと崩れ落ちるだけだ。
鮫島はそのまま上ることを一度断念して辺りを見回した。
どうやらふかいふかい縦穴はそれなりに広い横穴に繋がっているらしい。
光源は上部の穴から降り注ぐ光しかなく、奥は全く見えない。
しかし、この横穴は出口に繋がっているかもしれない。
鮫島は奥まであるきだした。
少し歩くと、気配がした。

「こいつは珍しい」

落ち着いた声が響く。
鮫島は声の主に目を向ける。
薄暗さで顔はしっかり判別できないが、どうやら笑っているらしい。

「まさか穴に落ちたのかい?」

楽しそうな声がした。

「そうらしい」

鮫島は声に応じた。
声に敵意や悪意は感じなかったからだ。

「そいつは大変だなぁ。この穴からは出られない」
「じゃああんたはどうしてここにいるんだ?」
「それは俺が死刑囚だからだ」
「死刑囚?」
「そう。だから、俺は死ぬまで穴のなか。もぐらと一緒さ。愉快だろ?」

からからと死刑囚ら笑った。

「何をしたんだ?」
「魔王の逆鱗に触れたのさ」
「魔王?」
「魔王ルキメデス」
「いつの話だ?」
「さあ?もうずいぶん昔じゃないかな。すっかり穴のなかが快適になるくらい昔だ」
「外にでないのか?」
「出られないから」
「俺が出してやるといったら?」
「そんなことできるのかい?」

死刑囚はどこまでも楽しそうに笑った。

「友達のピンチなら当たり前だろ」
「なるほどなるほど、じゃあ、ありがたくお断りするよ友達」
「何故?」
「それよりまたここに来てくれるかい?」
「」

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