ジャンル:咲-Saki- お題:奇妙な嘔吐 必須要素:バツ印 制限時間:30分 読者:655 人 文字数:1753字 お気に入り:1人

終わりと始まり

「あー、もう!爽飲みすぎだ!めっちゃ酔ってんじゃねえか!」
「大丈夫大丈夫、酔ってない酔ってない」
「もうまんま酔っ払いじゃねえか……」

酔った爽を連れて会社の飲み会からの帰路に就く。
爽と同じ会社に就職して数か月が経過しようとしていた。
二人とも勉強というのがてんでダメで、就職を選んだのだ。私は爽の会社が好条件というのを聞いてそこに就職したのだが……

「なーにが好条件の会社だよ、全く……残業ばっかじゃねーか!今月何日目だよこれで!」
「良いじゃん良いじゃん、毎月会社のお金で飲み会出来るんだし……」
「もしかして好条件ってマジでそれだけだったのかよ」
「そうだよ!」
「あーーーーー!!!絶対入る会社間違えたーーーーーー!」

高卒就職が簡単に転職できるほど甘い世の中でないのは私も当然わかっている。だからこそ、慎重にしようと思っていたのに。結局また、コイツに流されてしまった、幼稚園の時からの悪い癖だ。
……だからと言って後悔しているわけではないが。

「どうだー揺杏、そろそろ仕事……ってか職場には慣れたか?」
「あー、それなら大丈夫。いい会社って爽が言うだけあってホントに居心地良いよ」
「それならよかった!」

これは私の本心だ。
確かにさっき言ったように、残業も多いし仕事も決して楽というわけではない。上司は厳しく、入社したての頃は提出した書類一面にバツ印が並んだりもした。今もまだ並んでいるけれども。

それでもどこかこの会社の雰囲気は温かい。爽と同じ部署にいるわけだが、みんなが一致団結しているような、そんな雰囲気を感じさせる。
それのせいか、時折高校時代を思い出してしまうこともある。全国大会優勝という目標を胸にみんなで取り組んだ、あの日々を。
ほんの一年前だってのに、遥か昔のようにさえ思えてしまうあの日々。たまにそんな光景に思いを馳せながら仕事に取り組むことができる、そんな温かい職場。
なんだかんだ、爽には感謝していた。一生コイツについていくと決めた私の判断は案外間違っていなかったのかもしれない。

そんなことを考えているといつの間にか私の家の近くまで来ていた。
爽に向き直って、感謝も込めてある提案をする。

「なぁ、爽……もうすぐ夏休みだしさ。久しぶりに部室に遊びに行ってみないか?」

仕事が忙しくてなかなか休みがないのだが、少ない休日と言えばやはり麻雀だろう。私たちが、青春を駆け抜けたあの場所へもう一度訪れたい。もちろん、久しぶりにユキの姿も拝みたい。

「あぁ……いいなそれ!」

酔いもさめたのだろうか。爽が元気な声でそれに答える。
確かちょうど一週間後の土曜日が私たち二人とも休みだったはずだ。ついでに大学に行ってる成香と誓子にも声をかけようか。

「じゃあ、一週間後の土曜にでも行くかー!」
「いいねー!久しぶりに言って大暴れするかー!」

快活な声で答えてくれる爽。提案したかいがあるってもんだ。

「全国か……懐かしいな」
「私たちの代は行けなかったけどなー」
「きっと今年は行ってくれるって!だってユキだぜ!」
「……そうだよな!」

去年負けてしまった時のことを思いだし、思わず涙がこぼれそうになる。まだ酔っているからだろうか、感情がうまく制御できないのか。
あれだけ爽たちに全国行くからなって意気込んだのに、行けなかった。そんなありふれた青春の1ページ。
戻れるものなら戻ってもう一回……。
思わず険しい表情になってしまう。

「揺杏……?」
「爽……」
「悪い気分が、おえぇ」
「うわっ、爽大丈夫か」

爽がいきなり吐いた。感傷に浸っていた私は思わず現実に戻される。

「悪いけど家入れてくれない?ちょっとしんどいわ」
「あぁ……」

爽を家に案内する。


――家に入ってからの爽は先程の嘔吐が嘘かのように元気だった。
私はすぐにその意図に気づく。

「なぁ……爽。もしかして、私を元気づけようと家にきてくれたのか……?」
「まさか!しんどかっただけだよ!」
「そうか……」

爽はこういう時素直じゃない。
ならば私が素直になるだけだ。

「爽」
「なに?」
「今日は寂しくなっちゃたからさ……一緒にいてくれよ」


「……ああ、いいよ!」

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