ジャンル:咲-Saki- お題:いわゆる職業 必須要素:ロードローラー 制限時間:15分 読者:424 人 文字数:1100字 お気に入り:2人

ロードローラー屋さんになるよー!

「決めたよー! 私、おとなになったらロードローラー屋さんになるよー!」

 と、素っ頓狂な豊音の声が冬の宮守女子高等学校にこだました。
思わず「はぁ?」と素の反応をしてしまいそうになる塞だったが、こちらをきらきらとした目で見つめる豊音にそんなことは言えず、言葉をぐっと呑み込む。
代わりに、

「……が、頑張ってね」

 と、毒にも薬にもならない無難な返事を返したのだった。

「うんっ。がんばるよー!」

 にっこりと笑う豊音の手には、熊倉先生が「何か暇つぶしになるものがあるといいねぇ」と持ってきた漫画の単行本。
主人公たちが悪人とスタンドと呼ばれる超能力で戦う、少年漫画だった。
先ほどからその漫画を読んでいた豊音だったが、途中から「花京院が死んじゃったよー……」「時を止めるとかちょーすごいよー!」「おじいちゃんも死んじゃったよー…!」「ロードローラーだー!!」など、ノリノリで感想をひとりで呟いていたのだ。
そして、読み終えて単行本をぱたん、と閉じてからの冒頭のセリフ。
 ……正直、塞には言いたいことがまだ山ほどあった。
「何、ロードローラー屋さんって!?」「それを職にするつもりなの!?」「なにする仕事なの!?」「売るの!? ロードローラー専門で!?」「いくらなんでも需要なさすぎでしょ!?」……エトセトラ、エトセトラ。
しかしながら、

「ちょーたのしみだよー…! いろんなロードローラーを集めてこないとねっ」

 なんて、うきうきでロードローラー屋さんを開店する算段を立てる豊音を見てしまうと、

(……そんなツッコミ、出来ないよなぁ……)

 諦めざるを得なくなってしまうのだった。


「お待たせ!」

 そこに、がちゃりと戸を開けて入ってきたのは一人の少女。
豊音とは相対的に、背がすこぶる小さい彼女の名は鹿倉胡桃。
宮守女子高校麻雀部の中堅にして、切れ味鋭いツッコミ屋。
……そうだ、胡桃なら。

(豊音のムチャクチャな職業プランニングにも突っ込んでくれるかもしれない!)

 思わず期待を抱いてしまう。
塞がそんなことを思っているとは露知らず、豊音は弾むような声で胡桃にも同様のことを告げた。

「聞いて聞いてっ。私、とうとう将来なりたい職業が決まったんだー!」
「へー。スタントマンとか? 特撮番組で着ぐるみ着る人?」

 ナチュラルに毒を吐く胡桃。いいぞ、これなら鋭いツッコミを入れてくれるに違いない!

「ううん。えっとねー、ロードローラー屋さん!」
「……」

 ゆっくりと、胡桃は塞の方を向く。
その顔は、「え、なにそれ」とでも言わんばかりの絶妙な表情だった。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:けすけ ジャンル:咲-Saki- お題:寒い嘔吐 必須要素:ロードローラー 制限時間:15分 読者:498 人 文字数:819字 お気に入り:0人
北海道という場所は実に寒い。そりゃあ時期や気候、条件によってはそこそこ暑くなることもあるのかもしれないが、取り敢えずめちゃくちゃ寒い。ましてや今は12月。寒さも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:よくと氏 ジャンル:咲-Saki- お題:官能的な空 必須要素:ロードローラー 制限時間:30分 読者:195 人 文字数:922字 お気に入り:0人
寒さとは裏腹に眩しすぎる程の日差しが部屋に差し込んでいる。ここは…なんだ自分の部屋か。たしか、昨日は飲みに出かけてそれから…思い出せない。しかし飲みすぎてしまっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すかい「文章」ギオン ジャンル:咲-Saki- お題:裏切りの道のり 必須要素:スラム街 制限時間:15分 読者:60 人 文字数:1178字 お気に入り:0人
『ネリー、あたしね』そう切り出す彼女の顔は、いつも太陽のように輝いていた。ドブ川の底に溜まった泥のようなこの街で、あんな笑顔が出来るだなんて。素直に感心するし、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:眠猫 ジャンル:咲-Saki- お題:朝の汁 必須要素:くさや 制限時間:15分 読者:292 人 文字数:888字 お気に入り:0人
大星淡は逡巡していた。おそらく、今までの人生を振り返ってみても彼女がここまで悩ましい表情をしていることなど数えるほどしかなかっただろう。額には脂汗、顔は青ざめ、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:咲-Saki- お題:春の暴力 制限時間:15分 読者:294 人 文字数:415字 お気に入り:0人
やさしく暖かい風が頬を撫でる。ひらひらとまいおちる桜を見つめながら、私、竹井久は大きなため息をついた。そう、今日は卒業式。学生儀会長を務めた私はこの後、壇上に立 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ユーリン ジャンル:咲-Saki- お題:今年のお尻 必須要素:出会い系サイト 制限時間:15分 読者:306 人 文字数:934字 お気に入り:0人
「いつの間に……」夏服を着ていたのもいつの事やら。インハイに行っていたこともあって水着を着て海やプールを満喫することもなく、気付いたときには、長袖の冬服に袖を通 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:りんすずり ジャンル:咲-Saki- お題:イタリア式の駄作 必須要素:セ○クス 制限時間:15分 読者:249 人 文字数:1158字 お気に入り:0人
なあ どうして部室のエアコンが水滴を吐き出すのかわからないまま三日が経過した。 なあ。 インターネットで調べて自分たちなりに創意工夫を凝らしたものの、埃混じり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:愚図 ジャンル:咲-Saki- お題:地獄床 必須要素:爆弾 制限時間:15分 読者:339 人 文字数:541字 お気に入り:0人
人それぞれに、芸術はある。ひとつひとつ挙げていっても意味が無いので、割愛をさせて頂く。この物語は爆発に魅せられた少女と、関わってしまった人々の物語。午前九時、屈 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:愚図 ジャンル:咲-Saki- お題:簡単な罪人 必須要素:ペットボトル 制限時間:15分 読者:326 人 文字数:706字 お気に入り:0人
「な、なぁ……」「どうしたの、菫」チーム虎姫は一堂に会していた。その中でも主将とエースの二人が深刻な顔をして話し合っている。強者揃いである虎姫も二人が醸し出す独 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:愚図 ジャンル:咲-Saki- お題:ドイツ式の階段 必須要素:コーヒー牛乳 制限時間:15分 読者:356 人 文字数:471字 お気に入り:0人
「あのなぁ、世界で一番強いプロ雀士居るやん」園城寺怜は気だるげに空を仰いで、清水谷竜華に語りかける。「せやなぁ、それがどうしたんや」竜華は机の上で横になる怜の相 〈続きを読む〉

雨七の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:Fate/Grand Order お題:破天荒な国 必須要素:セリフ無し 制限時間:30分 読者:41 人 文字数:1052字 お気に入り:0人
じわじわと、窓の外から聞こえる蝉の鳴き声に目を覚ます。寝汗でじとりと湿った布団の独特の感触に眉を顰め、私は――ワルキューレ。個体名はスルーズ――おもむろに身を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:興奮した処刑人 必須要素:じゃがいも 制限時間:30分 読者:369 人 文字数:1252字 お気に入り:0人
「それで、なるか?」 ちかちゃんが私の名前を呼びました。私はおそるおそる、目線を上げてちかちゃんの顔色を伺います。目元。にっこり。口元。弧を描いています。一見、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:ゆるふわ愛されおっさん 必須要素:干支 制限時間:2時間 読者:274 人 文字数:2355字 お気に入り:0人
「純くんさぁ」 その言葉を発した国広一自身も驚くほどに、「あきれた」感が強い声色だった。「何だよ」と振り向く井上純を、まじまじと彼女は観察する。 まず、体勢。使 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:暴かれた会話 必須要素:会話劇 制限時間:4時間 読者:311 人 文字数:4308字 お気に入り:0人
「霞さんの様子を、ですか?」「はい。巴ちゃんに久しぶりに見てきてほしくって」 にこにこと、屈託のない笑顔で姫様が言いました。学生時代から何ら変わらない、無垢な笑 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:朝の汁 必須要素:くさや 制限時間:15分 読者:314 人 文字数:771字 お気に入り:0人
爽やかな朝だった。窓からは柔らかな朝日が差し込み、白い布団がふわりと全身を心地よく包んでいて。けれど、そんな朝を迎えたエイスリンの第一声は、「クサイ!!」 悲 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:女のカリスマ 必須要素:靴の中敷 制限時間:30分 読者:325 人 文字数:1216字 お気に入り:0人
「というわけで! テルーとスミレが卒業しちゃったわけだけど!」「そうだなぁ」「……むー。亦野先輩、他人事ー? 次期部長がそんなんでいいの?」、 と、言われても。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル: お題:過去の恋愛 必須要素:豚肉 制限時間:1時間 読者:274 人 文字数:2508字 お気に入り:1人
(このSSはリレー企画のものであり、前篇(http://sokkyo-niji.com/novel.php?id=112275)の内容を引き継いでいます。) ◇ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル: お題:肌寒い狂気 必須要素:宗教 制限時間:30分 読者:315 人 文字数:1419字 お気に入り:0人
張りつめた、肌を刺すような冷たい夜の空気。どこか狂気すら帯びているように感じる不穏な雰囲気の中、戒能良子はかちりとライターを点火した。黒い木々が風を受けてざわ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:やわらかい母 必須要素:マフィン 制限時間:30分 読者:280 人 文字数:1336字 お気に入り:0人
「そう、とうとう大会が始まるんだ」 しゃかしゃか、とこなれた手つきでホイッパーを操りながら、瑞原美月は微笑んだ。彼女の手元ではボウルに入った卵や砂糖、ベーキング 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:極道大戦争 お題:冷静と情熱の間にあるのは銀行 必須要素:アンドロイド 制限時間:15分 読者:277 人 文字数:703字 お気に入り:0人
まるでアンドロイドみたいなやつだ。ヤクザヴァンパイアと化した己の暗く濁る双眸で、影山は対峙する緑の巨山を睨みつけた。 あの日からーーKAERUくんのヘソの封印 〈続きを読む〉