ジャンル:家庭教師ヒットマンREBORN! お題:有名なヒーロー 制限時間:1時間 読者:570 人 文字数:1735字 お気に入り:1人

ヒーローに憧れていた



 将来の夢は、巨大ロボットだった。

 あまり帰ってこなかった父親だったけども、それでも男らしいし、めいいっぱいはしゃぎ疲れて寝てしまうまで遊んでくれる父が好きだった。小さなころは、それでも年の半分は家にいて母ともいろいろなところに遊びに行ったものだった。特に、父とはヒーローごっこをしていたな、とふと思い出した。日曜日の朝早く、5人のヒーローが悪と戦う姿が好きで、憧れだった。真剣に、テレビに釘付けにされている自分に、その日の放送が終わると話しかけてくれたのも父だった。
 (まさか、ヒーローともかけ離れたことをするなんて、全然想像しなかったもんなぁ。)

 今、自分は長靴の形と言われる国で、遠い遠いご先祖さまからの家業を継いでいる。

「何か、問題がありそうなんでしょうか。」
「なんでもないよ。ちょっとボーっとしちゃっただけ。リボーンには内緒にしといてね。」
 初対面の時にはあんなに怖かった彼も、今では居ないと困ってしまう、大事な仕事仲間だ。そして、自分を変えていった家庭教師には、まだまだ頭があがりそうにない。大事な仲間と、みんなを守る。ちょっとだけ、ヒーローみたいで嬉しいときがある。

「じゃあ、まかせるね。獄寺くん、了平さん。」
「光栄です十代目!」「極限まかせろ!」
「うん。行ってきます!」
 母の誕生日と、自分の誕生日と、年に二度は必ず生家に帰るようにしている。その年の情勢次第で難しいことはあれども、並盛の町がなければ自分は居ない。少し深呼吸をする場所だった。

 (変わらないなあ。)
 1日近くをかけて、見慣れた景色に戻ってきた。変わっているけれども変わらない、いつもの町。懐古と言うほど古くも無いけれども、何となく、自分が変わった中学校へと足を進めていた。
「あれ、沢田じゃん。」
「持田先輩。えっ、今日は平日ですけども仕事は。」
「お前だって平日じゃねーかよ。俺はここが仕事場なんだよ。」
そう告げる彼に、有給を取ってふらふらしてるんですと告げ、せっかくだからと中に入れてもらうことにした。めんどくさそうな顔をして、それでも許してくれる彼も、当時とはずいぶん変わったなと思う。
「先輩、まだ剣道してるんですか。」
「そらな、顧問してるよ。」
「インチキ審判しちゃダメですよー」
最初のきっかけはこの人だったのかもしれないと、思い出しながら初めて竹刀を持った日を思い出す。
「うわ、お前それ覚えてたかー。」
ものすごく苦い表情でこちらに向かう彼は、本当に変わっていて全く変わって居ない。
「そりゃあ、人の髪全部抜いたの初めてですもん。」
黒々していてよかったです、あの頃はこんな反撃を、こんなに未来にするなんて思ってなかっな。
「俺は、好きな女を、守りたかっただけなんですー。」
「残念、オレの大切なひとになりましたー。」
ほんとお前なんなの。そう言葉を発すると同時にじゃれつくように締め上げてきた。ぎぶ!ぎぶです!と騒げば、それでおしまいと、放される。
「先輩も、ヒーローになりたかったんですか。」
「そりゃあ、男は憧れるもんだろ。」
「オレはゴニンジャーのレッドがのるロボットになりたかったんですよね。」
「ロボットかよ。」
「ロボット。だってメカ格好良かったじゃ無いですか。」
そうだけどよ、でもさぁ、と腑に落ちては居ないようだ。

「なんか、悩んでんのかよ。」
突然、真剣な声で問い掛けられる。
「なんで、」
「卒業してから、お前見かけるときって大体思い詰めてただろ。」
 昇降口から歩いてきた目的地は、応接室だった。もう占有するやつも居ねーしなと、ソファに座り顔を向かい合わせる。

「悩んでる暇なんかないって、知ってるんですけど、でも、しょうもない時もあって。悩んでるのを、悟られるわけにもいかないから、」
「ダメツナのくせに」
「そのあだ名懐かしい。」
「うるせぇ。何度でも言うぞ。確かにお前には負けたし何にも無かったかもしんねーけどさ、お前俺のことなんて呼ぶよ?」
「持田、先輩。」
「そう、先輩。おれ、なにもわかんねーけど、先輩だから。先輩面くらいさせろや」

そうして、いつも、何でもない話を聞いてくれるんだ。

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