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ドレスアップ

比較対象が傍にいるのが良かった。千明は鏡の前で自分の身体を眺めた。しかも横から。おなか周りがどうも宜しくない。ぽっこりとまではいっていないが、あきらかにアンバランスだった。胸が大きければ幾分誤魔化せるが、そうではない。いろいろ足りなかったり、多かったりするのだ。女性が下半身を冷やすのはよくないから、と赤司に言われて以来、スカートを履くことはほとんどなかった。履かなければ、たまに履いた時のスースーとした感覚がすごい。けれど今日はおめかしをすると決めたので、徹底的にやることにしていた。
どれにするの?
尚子が自分の服をさらに持ってきた。彼女もまた、下着姿だった。
どれがいい?
え! 決めていいの、私が!
……だってよくわからないんだもん。
真太郎さん、こういうの、気をつかわなそうだもんね。
お父さんはいいのよ。
よくないよー。現にこれでしょ?
尚子が私の肩を突っついた。ひやりとした。
こういうのは得意な人が特化すればいいの。
お任せあれ、と尚子は微笑み、じゃあこれ、と服を差し出した。思わず服の腹部を見る。入るだろうか。
大丈夫、これゆとりあるから。
どこが、と具体的に言わないところは昔に比べて成長していた。服に袖を通すと、明らかに高級な生地の感触がした。しっとりとしていて、体の線に沿うような形状になっている。
……どうですか。
服を着て見せると、後ろ、と言われて180度回った。
まあまあ、じゃない。
何よ、と首だけ振り返ると、心底満足そうな顔をした妹分がいた。
まあまあ?
見立てが良いから。
彼女は自分もといわんばかりに、細身のドレスを身に着けた。気分が悪くなるほど、似合っていた。

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