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遺跡前、森にて

 四辻の続く森を少年が急ぎ歩く。紅葉した木々は風に吹かれる度に木の葉を散らし地面へ落ち葉の絨毯をつくり上げていた。美しい光景ではあったが少年には関係がない、否、その光景を楽しむ余裕が、少年にはなかった。
 森の奥へ奥へと歩みを進め、どれほどの時間が経っただろう? この森は出口が見えない、まるで同じ場所をぐるぐると回っているような感覚に陥る。喉の渇きと疲れが少年の焦りを上回り始めたあたりで少年は休息を決め、四辻の中心にある切り株へ腰掛けた。
 所持していた革袋に入れていた水を飲み、一息ついた少年は周囲を見渡す。今まで一直線に歩いていたため気付かなかったが、奥へと続く道の景色は若干歪んでいるように見える。奥に向かって左右の道も同じような景色で、今きた道を振り返るとこちらは若干はっきりとしていた。
 歪んだ景色の三方向と明瞭に見える今きた道の違いを考えようとするが、少年の疲れた体は思考よりも休息を欲していた。幸い、この森で危険な動物や亜人、傷は与えてこないが盾を奪ってくる害獣は見ていない。無防備に眠るのは危険といえど、この一帯で害獣達に襲われることは無いと判断した少年は切り株の上へ寝転がり、仮眠を取ることにした。

 冷えた風に少年は目を覚ます。空は昼過ぎの澄んだ青から夕焼けの茜色へと変化しつつあるようだ、少し眠りすぎた事に少年はひとりごちる。夜の探索は非常に危険なのでこれ以上進むことはできない、野営の支度をしなければ。

 適当に集めた枝を切り株から少々離れた場所に積み、火を付ける。乾燥した空気のせいか、すぐに火は安定した。保存食と水で簡易的な食事を済ませると、炎を見つめながらこの四辻から抜け出す術を考える。
 この四辻が続く森はターム遺跡に至る道だという事をマカの木から聞いた。各地に散らばる4つの宝石を集め、開放した門を抜けて遺跡の直前にあるこの森までやってきた。あとはこの森を抜けるだけなのだが、ここで行き詰まってしまった。
 元の場所へ戻るにはきた道を帰れば良い、何も考えずまっすぐに進んできたので戻るのも直線だ。一旦戻って体制を整えてからもう一度挑戦しにきてもいいだろう。
 炎から目をそらし、森の奥を見る。夜の森だけあって黒の染料を溶かしたような黒さだが、その黒さの中に何か光るものが見える。
 光源のないはずの暗闇に見えた光に少年は目を凝らす。その光は脈打つようにうねっており、それは水面が揺れるような動きをしていた。
 今まで見てきたダンジョンの仕掛けとはまた別の何かに少年は閃く、昼間に見えていた道の奥に見えた歪みは、この水面のようなゆらぎで、そのゆらぎは侵入者を迷わせる仕掛けだったのだ。
 こういった仕掛けは魔術やカラクリで閉ざされた遺跡への侵入を阻むためにあってもおかしくはない。この仕掛けの解除方法がわからない限り奥に進むことはできない。
 今まで進んできた他の場所では、いくら迷うことがあってもどこかしらに突破口となるヒントが置かれていた。今回もどこかに秘密を握っている誰かか、何かが居るはずだ。ただ闇雲に突き進む前に、情報を集めなくては。
 情報を集める、という初歩的な事を忘れていた事に気付いた少年は大きな溜息を吐くと、進む道ではなくきた道を見る。やはり水面のような歪みは無く、そちらには何も仕掛けられていないとわかる。

 ひとまず、夜が明けたら町へ戻って情報を集めよう。少年はふてくされながら横になり、外套をかぶるとそのまま眠りについたのだった。

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