ジャンル:テンミリオン お題:軽い列車 制限時間:15分 読者:425 人 文字数:515字 お気に入り:0人

死別列車

 列車が走る。客は、俺と彼女の二人。客が少なくて軽いせいか、列車のスピードもどことなく速いように感じられた。

 がたん、ごとん

 彼女は何もしゃべらない。俺も、何も言わない。生憎俺は、俯いている彼女のために何かしてやろう、という性格ではない。
 もし、列車に乗っているのがブロントであれば、明るく彼女を励ましただろう。
 ブルースであれば、優しく語り掛けてやっただろう。ルファもおそらくそうだ。
 例えジルバであったとしても、ここまで冷たい空気が流れることはなかったはずだ。

 がたん、ごとん

 このまま、終着まで黙っていることしかできないのだろうか。彼女も、俺も。……これで、最後だというのに。

「……どうして、私を選んだの?」

 溢れだしそうな何かを精一杯堪えた様子で、彼女が絞り出す。何故、か。最後くらい、素直になっても良いのかもしれない。

「お前が良かったからだ」

 がたん、ごとん

 列車の揺れが、やけに大きく聞こえた。

「どういう、意味?」

 彼女が聞き返す。おそらく、分かっているのだろう。涙声を隠しきれていない。

「マゼンダ。俺は、お前が好きだ」

 ああ、もう終着だ。……やっと、言えた。

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