ジャンル:スラムダンク お題:あいつと墓 制限時間:30分 読者:850 人 文字数:1262字 お気に入り:0人

【洋三】あなたがいない朝


カーテンの隙間から入り込む日差しが、チリチリと顔を刺す。
目を覚ますと、いつもの天井が視界いっぱいに広がった。

シングルベッドに、シングル用の布団。
あぁ、もうこの天候だとこの布団は不要かもしれない。
押し入れに仕舞いこんでいる夏用のものを出さなければ。


「………」


シングルベッドに、シングル用の布団。
いつもは狭苦しく感じるのに今日は広々使えるのは、寝ているのが俺一人だけだからかもしれない。
一人用なのに二人分使っているのが、今日は俺一人だから。

窓から差し込む光も、蒸し暑くて不快しか感じない部屋も、時折聞こえる鳥の鳴き声も。
何も変わらない、いつもと同じに日常の、朝の一時。


「(三井さんがいないと、こんなに静かなのか、)」


ただ一つ、三井さんがここにはいない。

暑いと言っても聞かずに抱き着いてくる彼が、目が覚めたと同時に腹減ったと騒ぐ彼が。
人の家だというのに遠慮なくクーラーを点けて部屋をガンガンに冷やす彼が。

人一倍騒がしくて賑やかな彼が、いない。


重い荷物を引きずるように、キッチンへ向かう。
生憎、朝はそんなに強くない。
低血圧のせいなのかもしれない。

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、喉を潤す。
冷たい感触が体を流れていくのを感じると、少し精気が出てきた。

三井さんがいないから、別に朝飯を用意する必要もない。
俺はコーヒーだけで十分だから。
三井さんはガッツリ食べないとダメみたいだけど。

ケトルで湯を沸かし、インスタントコーヒーを用意する。
これで、俺の朝食は終わり。
いつもは飯を作るから、時間を持て余してしまった。
それが、何だか少し物足りない。

いつもは、せがまれながら飯を作って。
作ってる間も構って欲しい三井さんいちょっかいを掛けられ。
二人でテキトーに作った飯を食って。
大したもんじゃないのに、美味そうに食う三井さんを見て満更でもない気持ちになって。


「(……あぁ、ダメだ)」


どうやら、俺は三井さんがいなくて寂しく感じているようだ。
久々の一人の時間を持ててラッキーと思っていたハズなのに。

誰かがいなくて、それを寂しいと、感じるなんて


「(花道にバレたらバカにされそー…)」


自分自身に呆れながら、不味いコーヒーを流し込む。
そして、携帯を手に取った。



『……もしもし?』

「おはよ、三井さん」

『ど、どうしたんだよ?何かあったのか』

「うん、あのね、三井さん。俺、アンタがいないとダメみたい」


電話越しに、大きな物音と声にならない絶叫が聞こえてきた気がする。
が、俺は言いたいこと言ってそのまま切ってしまった。


俺以外誰もいない部屋。
誰もいない時間。
空気を吸い込み、それらを感じ取る。


早く三井さんが帰ってくることを密かに願いつつ、籠った空気を換気するため、俺は窓を開けた。
日差しは相変わらず、眩しくて痛いくらいだった。



FIN
同棲してる二人。
三井は合宿に行っている設定

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:おび ジャンル:スラムダンク お題:フニャフニャのアパート 制限時間:15分 読者:43 人 文字数:440字 お気に入り:0人
三日間泊まることになったアパートには先客がいた。 俺は見知った顔が一つの部屋から出てきたので声をかけた。「牧さん」「なんだ、仙道。お前もここに泊まりかフニャ? 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スラムダンク お題:不本意な窓 制限時間:1時間 読者:523 人 文字数:1751字 お気に入り:0人
緑がきれいだった、理由はただそれだけ。何気なく横を向いたその直線上にちいさな窓があった。網戸もなく、すりガラス板1枚でできたその小窓は、換気の為か下向き斜め方向 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちりめんじゃこいわお@オリジ連載中 ジャンル:スラムダンク お題:不本意な窓 制限時間:1時間 読者:363 人 文字数:2644字 お気に入り:0人
休日を迎えた桜木は珍しく、一人で熱燗などを飲んでいた。太陽が沈みきった午後の九時、気の知れた主人と二人でいる居酒屋は心地好くて、ともすれば酔いの為に眠ってしま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:サムゲタン将軍@T/B ジャンル:スラムダンク お題:これはペンですか?違うわ、それは酒 制限時間:1時間 読者:583 人 文字数:1381字 お気に入り:0人
Is this a pen? No! It's an alcohol透きとおるような青い空とからりとした空気、秋も深くなり少々肌寒くはあるが、健康優良児たちは本 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:rena@常勝!! ジャンル:スラムダンク お題:裏切りのデマ 制限時間:15分 読者:869 人 文字数:658字 お気に入り:0人
鳴り響く警報の音は、いまや鳥の囀りと然して変わらぬ日常の音響になった。しかし、それでも彼は耳にする度一瞬、怯えにも見える表情の変化を見せる。気付かれていること 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スラムダンク お題:どす黒い四肢切断 制限時間:2時間 読者:679 人 文字数:136字 お気に入り:0人
これから惨劇が始まるとも知らずにのんびりと横たわっている。バカな男だ、目の前の餌に惑わされて…ゆっくりと刃物を握る。震えなど起きなかった。刃物をざくりと足にいれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちりめんじゃこいわお@オリジ連載中 ジャンル:スラムダンク お題:狡猾な恨み 制限時間:4時間 読者:576 人 文字数:5252字 お気に入り:0人
先日、黛のアパートが火事になった。幸い死人もケガ人も出なかった。しかし黛の精神的なショックは計り知れない。何せ目の前で黒い骨組みとなっていく我が家の様子を見詰 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちりめんじゃこいわお@オリジ連載中 ジャンル:スラムダンク お題:右の想い 制限時間:4時間 読者:651 人 文字数:2142字 お気に入り:0人
黛は人を待たせるような男ではない。青田も待ち合わせの十分前には到着するように心掛けている。ただこの日は冬の悪天候に見舞われ、きっちりと決められたダイヤはいっそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちりめんじゃこいわお@オリジ連載中 ジャンル:スラムダンク お題:薄汚い不動産 制限時間:4時間 読者:737 人 文字数:3997字 お気に入り:0人
とある夏。桜木花道は困っていた。花形透が以前言っていたことを整理すると、大体こういうことになる。桜木が今いる家は花形が身内から譲り受けた遺産の一つだ。そしても 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ちりめんじゃこいわお@オリジ連載中 ジャンル:スラムダンク お題:ワイルドな演技 制限時間:4時間 読者:2490 人 文字数:2787字 お気に入り:0人
翔陽の主将、藤真健司には悩みがあった。それは自分の容姿についてだった。顔形は正直悪いとは思っていない。背丈もスタメンには及ばないがそこそこある。体重は自分自身 〈続きを読む〉

東堂みくの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:テニスの王子様 お題:悔しい絶望 制限時間:1時間 読者:474 人 文字数:2839字 お気に入り:0人
※選抜合宿中の設定このところ、跡部が突っかかってこない。己を避けているようにも思う。事務的な会話はする。挨拶だって普通に交わされる。けれど、ただそれだけだ。いつ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:スラムダンク お題:あいつと墓 制限時間:30分 読者:850 人 文字数:1262字 お気に入り:0人
カーテンの隙間から入り込む日差しが、チリチリと顔を刺す。目を覚ますと、いつもの天井が視界いっぱいに広がった。シングルベッドに、シングル用の布団。あぁ、もうこの天 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:テニスの王子様 お題:真実の芸術 制限時間:1時間 読者:678 人 文字数:1869字 お気に入り:0人
「……なぁ、こんなとこホンマえぇの?」「何度も言わせんな。良いに決まってんだろ」キョロキョロと所在なさげに当たりを見回して不安そうな表情を浮かべる忍足に、半ば呆 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:スラムダンク お題:素晴らしい反逆 制限時間:1時間 読者:1409 人 文字数:1427字 お気に入り:0人
暫くワシャワシャとタオルで髪を拭かれる。水戸は世話好きだと思う。オレの世話も焼きたがるし、桜木の世話もよく焼いている。陰で桜木の保護者と呼ばれているのを、コイツ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:スラムダンク お題:1000の妄想 制限時間:1時間 読者:1047 人 文字数:2295字 お気に入り:0人
「じゃあ、泊まってく?」その水戸の誘い文句は、どんな言葉よりも魅力的だった。映画とかドラマとかで俳優が言う甘い台詞よりも甘くて、トキメイて、胸がいっぱいいっぱい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:洋三 お題:今度の黒板 制限時間:1時間 読者:487 人 文字数:2577字 お気に入り:0人
誰もいない教室。温かい日差しが差し込む夕方、梅雨入り時の湿ったあの独特の匂い。いつもは喧騒な教室も、人がいないとこうも静かだ。静かすぎて、空気が五月蠅い。わかる 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:テニスの王子様 お題:愛の外側 制限時間:30分 読者:570 人 文字数:1182字 お気に入り:0人
※完全パロ大学生跡部×病人忍足今日は快晴。北側であまり日差しが入って来ないこの部屋でも、十分明るい。窓から外を眺めると、雲一つない青空だ。病院の隣には公園が広が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:洋三 お題:汚い音楽 制限時間:1時間 読者:436 人 文字数:786字 お気に入り:0人
三井さんは歌があまり上手くない。というか、寧ろ下手だったりする。あまりにも気持ち良さそうに歌っているから、本人には言わないでいるけど。少し温くなった烏龍茶を飲み 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:テニスの王子様 お題:遅すぎた宇宙 制限時間:1時間 読者:787 人 文字数:1104字 お気に入り:0人
「綺麗だな」「!う、うむ」突然降ってきた声に、不覚にも驚いてしまった。合宿中の、気を休めることのできる夜の一時。自主トレを済ませた後、何とはなしに外へ出て星空を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:東堂みく ジャンル:跡忍 お題:大きなお天気雨 必須要素:宇宙人 制限時間:15分 読者:318 人 文字数:701字 お気に入り:0人
「げ、降ってきやがった」「ホンマや。さっきまで晴れとったんにな」いきなり大きな音がしたかと思えば、大粒の雨が窓を叩きつけている。バケツとひっくり返したような大雨 〈続きを読む〉